二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.105 )
- 日時: 2010/08/21 16:54
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: dHuJp/ow)
16,「こえられやしない *もうあきらめて、すてちゃお?」
「……勝てやしないのよ」
ぽつん、と言葉を紡ぎ、レアンは自嘲的に笑った。頭の中を埋め尽くすのは「負け組」等のマイナスな文字。プラスの思考なんてこれっぽっちも残っちゃいない。
(……そう、アタシはいつだってそうだった)
自分から始めたサッカー。リフティングが出来る回数が毎日増えて行くのが嬉しくて、ヒートに紹介した。大好きなサッカーを。
そしたら、最高記録をあっさり破られた。呆然としてたアタシの前でヒートは笑ってみせて、
「楽しいね。紹介してくれてありがと」と言った。笑いかけられて、偽りの笑顔を貼付けて笑い返した。
自分の得意な事を周りの大切な人が上回って行くのが耐えられなかった。自分の得意分野を「なんだ、こんなものか」と軽んじられるかもしれなかった。そう思われるのが耐えられなかったし、アタシの存在価値が無くなって行く気がした。
アタシは見下されているのかもしれない。そう思う事は……、無かった。代わりに、アタシの様なまるで価値が無い人間と付き合ってくれている友達に申し訳ないと感じた。
泣いて姉さんに相談したら、姉さんは
「レアンは居てくれるだけで良いのよ」と言ってくれた。嬉しかった。姉さんが大好きだったから余計に。
最初にサッカーを始めたから、マスターランクになれた。でもアタシ達の出番は無かった。それがバーン様の優しさだと分かっていてもそれが辛かった。
……そして、エイリア学園が崩壊したアタシ達に待つのは昔の生活。皆は嬉しそうだけど、アタシはちっとも嬉しくない。
だってマスターランクって立場が奪われたらアタシはどうすれば良いの。何事にも負け組なアタシはどうすれば良いの?
(……なら、居なくなれば良いのよ)
(居なくなれば、劣等感を感じる事も無い)
(なんで思いつかなかったのかな)
「さよなら、アタシが幸せになれなかった世界!」
初めて血飛沫を綺麗だと感じた。
+
なんとなく書きたくなった。最近こういう話ばっかりとか凄く申し訳ないです。でも吐き出さないと変になりそう。