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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.30 )
- 日時: 2010/07/14 20:24
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: Th22uItU)
+「どーせあたしは帝国っぽくないわよ!」+
……平和だ。
「デスゾーン」っていう必殺技は持ってるけど、俺は平和が好きだ。
春のほのぼのとした空気と、暖かく降り注ぐ陽光。
あー……。平和だ……。
「じ、ろーう!!!」
そんな平和がアイツの声でぶちこわされる。
なんだこれ。
新手のいじめか?
「笹本?」
「茉莉沙でしょ、マリサ!そう呼んでよ!!」
薄い桃色の長髪をぶんぶんと上下に揺らす。
にかっ、と笑った。
エメラルドみたいな緑色の瞳がこっちに向けられる。
「じろー、どしたの?反応ないけど?」
「いや、つくづくお前帝国の制服似合わねーな……と思って」
その俺の言葉に、マリサは固まった。
「ひ……っどーい!!!なによ、どうせあたしに帝国は似合いませんよ!!」
ぷいっとそっぽを向く。
あぁ、怒らせた。面倒くさいことになったな……。
そんなことをぼんやり考えてると、マリサがつぶやいた。
「あ、あたしは、じろーに会えた帝国学園に感謝してんだから!!」
「……は?」
今こいつ何て言った?
『じろーに会えた』?
『感謝』?
「少しは喜べ……っ、あたしの想い人!!!」
そう言ったマリサの顔は真っ赤で。
俺の理解もだんだん及んで来る。
「誰が喜ぶか!!」
「言ったな!眼帯次郎!!!」
マリサが桜を手ですくって投げる。
———ひらひらと散る桜のはなびらは、
たしかにこの状況に合っていた。
『君に帝国は似合ってる、』
『俺が居る限りな』
[Fin]
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