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05,「幻想色の時間」


私の戦いは、終わった。

円堂君や豪炎寺君と一緒に、ヒロト———父さんと戦った、
あの苦しい戦いは。

もう誰にも傷ついてほしくなかった。
兄さんが亡くなった時は悲しかったけど、その後の父さんは
もっともっと見ていて悲しくなった。

———やっぱり父さんは、私より兄さんを愛していた。


嫌、いや、イヤ!!!
知りたくない!!!

心が叫ぶ。

真実を否定するために。
私が愛されていない事実を引き裂くために。


「……姉さん?」

心配そうな声で我に帰る。


ヒロトの顔と、晴矢の顔と、風介の顔。
他の子の顔。

そう、今私は愛されてるんだ。
存在する価値があるんだ。

この子達が教えてくれたんだ。



　　　『そうよ、今過ごしている時間は』
　　　『まるで幻想のよう』


［Fin］