二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.40 )
日時: 2010/07/16 15:39
名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: h/uHI0ph)

06,「花びらは雪に溶けた」


「……風丸くん!!」

響くのは、あいつの声。

ぼんやりとした頭。
動かす度に激痛が走る身体。

……俺、どうしたんだろう。

吹雪の動きが悪くなってて、カバーしなくちゃと思って。
それでボールを奪った。あのジェネシスから。
嬉しかった。

———でも、次の瞬間にはボールを又奪われて。

結局俺は弱いんだ。
吹雪みたいに活躍することも出来ない。

ただ、それだけの事実。
なのに胸が痛いのは何故?


「風丸くん……どうして、僕の為に……?」


くしゃくしゃになったあいつの顔。
泣く事なんて無いのに。

「ふ、ぶき」

吹雪ならきっと出来るから。

「円堂を、頼むな」


俺がいなくなった時、支えられるのは数人だから。
だから、大切な幼なじみを。

傷つく事の無いように。
俺の代わりに。


「守ってくれ」


吹雪はしゃくりあげて、俺の手をぎゅっと握った。



   『儚く散った花びらは、』
   『優しい雪に溶けた』


[Fin]