二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.49 )
日時: 2010/08/02 08:50
名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: 4z3SNsbs)

07,「お日様ぽかぽか、雨はしとしと」


「雨っておいしそう」

きっかけはこの一言。
ヒロトが呟いた言葉に反応した紗里奈。

「ばぁか、雨はただの水だよ」

ふん、と鼻を鳴らしてヒロトのおでこを指ではじく。
ヒロトはおでこを押さえながら首をかしげた。

「え?じゃあなんでお水が空から降ってくるの?」

うっ、と紗理奈は答えにつまる。

「そ……それは……」
「ねー、みんなに聞きにいこうよ」

紗理奈の手を引いて、ヒロトは走りだした。


「マキィー」
「マキ、今いそがしいよ」

忙しそうに手を動かすマキ。
ふわ、とお団子がほどけた。

「あー!」
「マキったらぁ」

すぐに風子が直す。

本当にこの二人は仲良しだ。

「あのね、雨ってお水でしょ?なんで降ってくるの?」
「う〜」

小さくうなってから、マキは言った。

「あのね、雨が降るときって雲がでてるでしょ」
「うん」

マキは得意げに続ける。
その隣では、考えている風子。

「だからね、雲のなみだなんじゃないの?」
「雲さんが泣いてるってこと?」
「うん!」

にこにこ、と笑うマキ。

「じゃあなんでなのか最後にねえさんに聞きに行こ!」

ヒロトが走りだす。





「だからね、雨は雲の中に溜まって雲が抱えきれなくなったお水なの」
『へぇ〜!!』

目を輝かせてこっちを見ている子供達。
瞳子は心の底から微笑んだ。

「分かった?」
『うん!!』

その返事を聞いて、瞳子は立ち上がる。

「雨、止んだみたいよ。サッカーしましょう!」
「え、うそー」
「サッカーやる!」

子供達と瞳子は、グラウンドへ走って行った。


   『お日様ぽかぽか、あったかい』
   『雨が降ったってサッカーするもん!』


[Fin]