二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.72 )
日時: 2010/08/03 20:26
名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: bcid6cII)

09,「よーい、ドン!(考えてもわからないなら、やってみればいいじゃない!)」



良く分からない。
塔子のことが好きなのか。


『好き』
『嫌い』
両方の受け皿を心の天秤に置く。
下がったのは『好き』の受け皿。


———でも、その感情は恋なのか。

それはまだ分からない。





「あぁ、楽しかったぁ!!」

ごろん、とベッドに寝転ぶ。
手は土まみれ。泥だらけ。
ついでに髪の毛も汚い。

やっぱサッカーって良いよな。


エイリアとの戦いが終わってパパの所へ帰った。
あまりにもボロボロでキズだらけのあたしに驚いたのか、ママは
もうサッカーしちゃダメだって言った。

……約束、破っちゃった。

あたしはサッカーが好き。
でもそれ以上に、あたしはママが大好き。


「どーすれば良い?」

問いかけたのは熊のぬいぐるみ。小さい頃ママがくれた。
返事は帰って来ない。決まってる。





(あたしはサッカーが好き?)
(それと同じぐらい風丸のことが好き?)

(俺は塔子が好き?)
(それと同じぐらいサッカーが好き?)





朝。

学校について、グラウンドを20周。
これが俺の習慣だ。


———走るってやっぱり気持ちいい。

「かーぜまる!!」

……塔子の声?


脳が認識した瞬間に振り向く。
ぶんぶん手を振ってる塔子。

駆け寄って来た塔子は、いきなり抱きついて来た。


「?!……ちょ、塔子!人前!!」
「あたし、サッカー大好きだ!でもそれ以上に風丸が大好き!!」

これでもか、ってぐらいの大声。


周りの生徒がいっせいに振り向く。
———なんでこういう時に限ってサッカー部1年がその中に。

返事……しとくか。


「俺もそうかな」
「ホント?!」

ぱっと顔を輝かせると、塔子は俺の手を掴んだ。


「待て塔子!ちょ、うわっ」
「円堂に報告だーっ!!」


これで晴れて恋人同士かな。


   『よーい、ドン!』
   『やってみなくちゃ分かんない!!』


[Fin]