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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】透明雲【キリリク受付】 ( No.84 )
- 日時: 2010/08/12 16:21
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: iuL7JTm0)
12,「愛して、愛して、愛してよッ!!」
「ねぇヒート、わたしヒートのこと大好きだよ」
狂気じみた笑顔を浮かべ、クララはヒートを見つめる。
柱に太い縄で縛り付けられたヒートは怯えた目でクララを見つめ返した。
「く、らら……?」
「ヒート、わたしヒートのこと大好き。だから他の人がヒートに近づくのは許せないの」
クララは、目を糸のように細めて手を振り上げた。
「ね、わたしヒートをわたしだけの物にしたいの」
ザシュッ
鈍い音がして、真っ赤な液体が飛び散る。
「ぐ、ああぁ……っ」
ヒートのうめき声を無視し、クララはその液体———血を掌ですくった。
掌の血を見つめ、うふふ……と笑い声を漏らす。
「ねー見て、ヒート。これ真っ赤。”愛”みたい」
苦痛に歪んだ顔で、ヒートはクララを見上げた。
「くら、ら。止めて……」
「だって。わたし、ヒートのこと好きなの。愛してるの。
だから縛り付けて、誰も触れないようにしても良いじゃない。これも運命じゃない?」
クララは血にまみれた手でヒートの頬を撫でる。
ヒートの白い頬にべっとりと血が付く。
「止めて、クララ……。そんな怖い顔したクララは、き、らい……」
掠れた声で言うと、ヒートは目を閉じる。
縛られた手がぴくっと動き、血で染められた心臓のあたりをうっすらと開いた目で見つめ———。
最後に、微笑んだ。
+
「わたしのこと、嫌いなの……?ひーと、ねぇ、ひーとぉ……!!」
涙が頬を伝う。
どうして?どうしてよ。
わたしはヒートに好かれたかった。
なのになんで嫌いって言うの。
「なら、わたし……」
死んでもいいよね?
ヒートが嫌いなわたしなんて。
+
鈍い音が響き、誰かが倒れた。
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