二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ハリー・ポッター □天才の再来■ ( No.19 )
日時: 2010/10/30 20:16
名前: 杏樹 ◆06GHpzRySU (ID: MXERWh7v)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

(レイナ視点)

汽車が進むと、雨もだんだん強くなってきた。

リーマスが眠り続けられるのが不思議なぐらいの、激しい風雨だった。

あたしは、もう真っ暗な窓の外を見た。

────その時、汽車が徐々に速度を落とし始めた。

外の景色から考えると、まだ着きそうにない。

「もう着くのか?」

ロンが言った。

「まだ着かないはずよ」

ハーマイオニーが、時計を見ながら言った。

汽車はさらに速度を落とした。

ハリーは立ち上がって、通路の様子を見ている。

「席を立たないで、ここで待ってて。
 何が起こったのか、訊いてくるから────」

あたしの言葉が言い終わらないうちに、汽車がガクンと止まった。

そして、明かりがいっせいに消えた。

いったい、何が起こっているの────?

誰かがコンパートメントに入って来た。

まず、明かりをつけなきゃね。

トランクを引っ張り出して、暗闇の中、杖を探した。

杖を手に取った時、また、誰かが入って来た。

あたしはとっさに、リーマスの肩を叩いていた。

リーマスは瞬時に目を開けて、杖を抜いた。

「静かに!」

リーマスが言葉を発し、みんなが黙った。

あたしとリーマスは、同時に明かりを灯した。

「動かないで」

リーマスはゆっくりと立ち上がり、少し歩いた。

あたしも、それに習ってリーマスの後に着いた。

ドアが開いた。

そこに立っていたのは、マントを着た、黒い影。

ぞーっとするような冷気が全員を襲う。

────吸魂鬼だ。

あたしは、リーマスに目配せした。

リーマスは小さく頷いた。

その時、後ろで何か、音がした。

振り返ると、ハリーが座席から落ちている。

早く、何とかしなくちゃね────。