二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【稲妻・ボカロ】翡翠の波紋【気まぐれ短編集】 ( No.144 )
- 日時: 2010/08/11 18:56
- 名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
+*セピア色のその言葉*+
雲ひとつなく晴れ晴れとした青くて広い空の下、今日も明るいはしゃぎ声などが通学路をいっぱいにする。制服を着た生徒達が、友達と一緒に学校への長い道を、どうでもいいような話をしながら歩く、そんな光景が色々なところで見られる朝。
風丸は、豪炎寺や鬼道と一緒に、円堂が来るのを曲がり角で待っていた。通学路ではそこの角は使わないため、風丸達の横をすでに何人もの生徒が通り過ぎていく。
いつものことではあるが、遅い円堂に待ちくたびれ、風丸達は自然に溜息をついた、
その時。
「いち!」
「……え?」
風丸は突如聞こえたその声に、パッと顔をあげ。どうした? と豪炎寺達は彼の顔を見る。
たった一言だったが、どこかに懐かしい響きがあると風丸は感じ、なんだろう、と考えると、すぐに呆れたようにクスリと笑った。
「なんだよ、守」
「へへっ!」
声の主は彼等が待っていた円堂。いつもの彼らしい笑顔をつくり、反省は特にしていないようだが待たせて悪いと言いながら、風丸達に近づく。
そしてどうやら、さっきの言葉の意味がわかるのは風丸しかいないようだ。きょとんとする豪炎寺達を後目に、赤い瞳を緩ませて、なにかを思い出すかのように円堂を見る風丸。
「懐かしいな、その呼び方。……小学校低学年ぐらいまで、そうやって呼んでたんだっけ」
「そうそう。風丸が急に、『恥ずかしいから名字で呼べ』とか言い出してさ」
「そ、そりゃあ、なんかさ……」
少し顔を赤くして口を濁す風丸を気にせず、円堂はけらけらと笑いながら学校に向かって歩き出す。慌てて円堂の横につく風丸達。
「……よくわからんが、『いち』と『守』という呼び名を低学年まで使っていたということか?」
「で、……なんで今日いきなり?」
『俺達この会話入っていいのかな』という表情で豪炎寺と鬼道はおそるおそるというふうに二人に問いかける。ああ、そうだ俺も気になってた、と風丸も円堂を見た。そして円堂の答えは。
「いや、ふと思い出したから。それだけ!」
というあっけらかんとしたものだった。相変わらずニコニコ顔の円堂に、風丸達はさらに深い溜息をつく。
「……ま、たまにはいいかもな」
「だろっ?」
半分呆れながら、半分照れながら、風丸は軽く微笑んだ。それにつられて豪炎寺と鬼道も笑う。
『セピア色の大好きな言葉を、』
『大きな木陰が包み込む』
+
ははは☆ゴメンねれっちゃん、よくわからないものが見事にできあがりました\(^o^)/
思い出っていいねえ。(遠い目
……ああ、冬っぺめ、幼馴染という特権を奪いやがって。
小娘のくせに二人の愛を引き裂くでない。←
みなさんもどんどんリクしちゃってくださいね!