二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻11・ボカロ】翡翠の波紋【短編集】【リク受付中】 ( No.178 )
日時: 2010/08/21 17:14
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*狂愛の伝え方*+


「おにいちゃん、」
 
 ゴメンねゴメンねゴメンね。ゴメン、ゴメン、ごめんね、お兄ちゃん。
 いくら謝ってもお兄ちゃんは喋ってくれなかった。お兄ちゃんの綺麗な青い瞳はぴくりとも動かずに見開き続けて。青白くなった手足と顔は、とってもとっても冷たくて。震える手で、お兄ちゃんの海みたいな青い髪の毛をさわって、この髪だけはいつもどおりだ、ってなんか安心しちゃって。

 私の汗だらけのもう片方の手に握られた真っ黒で真っ赤な包丁が、どうしても手から離れてくれなくて、こんなに謝ってるのになぜかまた大好きなお兄ちゃんの身体を切り裂いて。嫌なのに、自分のしているこの行為が大嫌いなのに、お兄ちゃんの傷口から止まることなく溢れ続ける美しい赤い液体に、快感を覚えて。切り裂く音も、突き刺す音も、流れ出る音も、どこか私を気持ち良くしてくれて。ただ一つ、お兄ちゃんの痛がる声が聞こえないのが、残念だった。
 ううん、お兄ちゃんの痛がる姿なんて見たくないよ、見たくないのに、その姿が大好きだって認めちゃう。お兄ちゃんを痛めつけて、ぼろぼろにして、壊して壊してお兄ちゃんという存在をなくしてしまいたいの。
 だってさ、私、お兄ちゃんに恋してしまったんだよ? 実の兄なのに、家族なのに、血が繋がってるのに、恋しちゃった。いけないことだってわかって、それでもお兄ちゃんのこと好きじゃないなんて思いたくなくて、苦しかった。だけどさ、お兄ちゃんがこうして消えてしまったら、楽なの。苦しくないの。

 お兄ちゃんを最初に傷つけた時、楽しかったよ。楽しかった。どろどろのお兄ちゃんの身体の中に私の手が入って、本当に気持ち良かった。お兄ちゃんが好きだから大好きだから、誰も触れられないところに私だけが触れられて、嬉しくて嬉しくてしかたがなかったの。

「ねえ、わかってくれる? おにいちゃん」

 ……ゴメンね、わからないよね、それでいいんだよ。私がおかしいことぐらいわかってるんだ。小さいころから、徐々に自分が、ゆっくりゆっくり狂っていってることぐらい知ってた。お兄ちゃんも気づいてたんでしょ、時々怯えた目で私のこと見てたもの。すっごい悲しくて辛かったよ。それでもいいからお兄ちゃんのこと愛していたかったのに、大好きって言ったのに、なんであんな嫌そうな顔したの? 大好きなのに大好きなのに。

「大好き、だいすき、ダイスキ、愛してるよお兄ちゃん、愛してるの愛してる、苦しくて痛いけど愛してる、お兄ちゃんを愛してるんだよ、好きなんだよ私は!!」 
 
 喉元に熱いモノがきて、こらえることもせずにただ叫び続ける。どんどんどんどんその生温かい液体は私の頬を伝って、喉を伝って、お兄ちゃんにこぼれおちて。


「……おかしいの、私おかしいの。お兄ちゃんに嫌われてもしかたないの。ゴメンねゴメンねゴメンね、ずっと振り回して、ゴメンね、それでも大好きなんだよ」

 自分でも歯止めがきかない。ただ「愛してる、ゴメンね」って、苦しい愛を伝えながらも謝り続けて、こんなにも壊してしまった自分が嫌で嫌で、もう何も戻らないってわかっていながらも、お兄ちゃんの冷たい手を握りしめて。

「ゴメンゴメンゴメン、でももう無理なの、止まらないの何もかも。だから最後に、ねえお願い許してね」

 私の全てが無くなってしまう前に、お兄ちゃんにもう一回言いたいんだ、

「愛してるの、こんな愛し方でゴメンなさい」

 ぎゅっと眼をつぶって、何も見ずにただ、お兄ちゃんに向かって包丁を振り下ろした。


 これが私の、狂った私に許された最期の愛し方だから。

 


なんじゃこりゃー。なんじゃこりゃー。(二回

とりあえず壊れたあの子を書きたいなー、と。あ、お兄ちゃんは誰かわかったと思いますが、女の子は皆さまのご想像にお任せします。正直誰でもいいでs(ふざけるな
「狂愛」は私が作った言葉ですゴメンなさい。

まあようするに、女の子は兄が好きになって、そのブラコンとは関係なく精神病で、兄は優しいから優しく接してたけどホントは嫌われてるって女はわかって、自分がおかしいということにも気づく。それで苦しむけど、突発的に兄の心臓を刺したら気持ち良くて、兄が絶命した後もずっと傷つけまくって、自分を愛してもらえないことに怒りを抱いたり色々するけど、最後に自分がおかしいのゴメンねって言って、やっちゃうという。
説明になってませんね。

それではっすいませんでした!