二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【気まぐれ短編集】翡翠の波紋【稲妻・ボカロとか】 ( No.19 )
- 日時: 2010/07/18 20:12
- 名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
- 参照: チッ、また明日から6時間授業か……
+*紅い蝶が夜を舞う*+
ピトン……
ピトン……
何も見えない真っ暗な部屋で、ナニカが滴る音がする。
そしてダレカの気配。
「あーあ、こーんな簡単に壊れちゃうなんて。ちょっと物足りないかなあ」
少し幼い、高い声が部屋に響く。気配の主は少女なのだろうか。
物音がし、部屋に電気がついた。
ついさっきまで、全てが吸い込まれてしまいそうなほど暗かった空間が、いきなり明るくなる。
しかしそこに立っていた、——少し赤く染まっているところもあるが、美しい緑色の髪の少女は、まったく眩しくないようだ。
少女はその小さい手に持っている、キラリと蛍光灯の光を反射するソレで、空気を切り裂く。
「んー、これもだいぶ使ってるし。そろそろ新しいのに変えようかな」
ソレを見ながら、少女はひとり呟く。
「でも、結構赤かったんだ。初めて知った。今までで一番鮮やかかな?……アハハ、あの人の髪の色とは正反対」
あの人——その言葉は、彼女のそばで倒れている少年のことを指すのだろうか。
少年は、苦しそうな表情だった。
「嫌な悪夢でも見ているのかなぁ? ……フフ、眠っているわけじゃないし、それはないか。大体、おもちゃにそんな感情ないよね」
少女は少年の顔を覗き込んだ。ピクリとも動かない少年。
「ハー……みんなダメ。すぐに壊れちゃったら意味ないよ。ずっと、ずーっと、永遠に私のおもちゃでいて欲しいのに」
ため息をつき、少女は壊れかけの椅子に座る。
本当に、憂鬱なのだということが、つまらなそうな眼からわかる。
すると、少女は何か思いついたのか、椅子から立ち上がった。
「どーせすることないし、お絵かきでもしようかな」
少年のところにしゃがみこみ、彼にたくさんこびりついている赤い絵の具を、自分の指をなめ、その唾液で溶かす。
そして絵の具が付いた指を、少年の顔にすべらせる。
「ちょうちょだよ、ほら。……ねえ、君のために描いてあげてるんだよ? まあまあ上出来だったから、宝物の証として」
少年は何も答えない。否、答えることなどできないのだ。
しかし、返事がないことも気にせず、少女は指を動かし続ける。
「——でーきた!」
しばらく経つと、少女はにっこりと、まさに子供のような笑顔をつくり、立ち上がった。
「それじゃあね。君は宝物だから、綺麗な布でつつんであげるよ」
そう言うと、少女は少年を軽々と持ち上げ————
少年の身体は、真っ赤なモノに包み込まれた。
けれど、彼女が描いた蝶の絵は、その赤に呑み込まれず、くっきりと映っていた。
(次のおもちゃは、誰にしようかな)
+
ヤンデレを書いたつもりだったんです。
いつのまにこんなことになってしまったんだろう。
もっちろん、キャストはみんながおなじみのあの二人だよ!!
……おなじみじゃない? でも私にとってはヤンデレはもうあの娘しか。
そしてあの娘に合うのはあの人しか(((自論やめろ
それじゃあ、すみませんでした。
次の予定は多分ふぶきゅんですねえ……