二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻11・ボカロ】翡翠の波紋【短編集】【リク受付中】 ( No.192 )
日時: 2010/08/20 21:18
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*私と貴方の幸せを*+
※自己設定付き。
  なぜか鬼道さんのゴーグルがない。大人の事情が(黙れks


「運転手さん、ちょっと止めてくださらない?」
「……? どうしたのですか、幸お嬢様」

 不思議そうにする運転手さんの顔がミラーに映る。まあわからないのは無理もないでしょう。あの場所は私と有人だけの思い出の場所だもの。
 昔の出来事を思い浮かべながら、にっこりと運転手さんに話しかける。

「理由はあとで聞かせます。ねえ、いいでしょう?」
「……わかりました」

 まったくお嬢様は、と溜息をつきながらもどこか楽しそうな運転手さんはブレーキを安全にかけると、つやのある漆黒のドアを開け、どうぞ、と私にむかってお辞儀をする。

「ありがとう。……いつも言ってるけれど、そんなに硬くしなくていいのよ」
「いえいえ、これが私の仕事ですから。……どこにいくのですか? 一緒に行った方がよろしいでしょうか?」
「いいえ、すぐ近くだもの。ほら、あの公園だから大丈夫、車の中で待っててちょうだい」

 二十メートルほど先の小さい公園を手で指し示しながらそう言うと、わかりましたとまたもや深々とお辞儀をして、運転手さんは車の中に入る。
 あの人がいるわけない、と思いながらもどこか期待している私。まっすぐに公園を見つめると、なぜか期待が強まった。




「え、嘘」

 公園につくと、思いもよらぬことへの驚きで思わず声を小さくもらしてしまった。思考と身体が固まる。嘘、嘘、嘘。頭の中はその言葉でいっぱいになるけれど、視界に映るソレは、確かに私の小さく期待していた大好きな、

「有人……!」

 後ろ姿でもわかったけれど、私の声に振り向いた彼の顔を見て確信した。だいぶ成長してるけど間違いない、有人だ。大好きで大好きで、今の私をつくってくれた鬼道有人。
 私と同じように驚きを隠せていない牡丹色の綺麗な瞳がこっちを信じられないように見つめる。前と一緒の、私が大好きな花、牡丹の色の瞳。背丈なんかはだいぶ大きくなり、雰囲気も変わっているけれど、あの瞳だけはあの時と変わっていない。

「幸、か……?」

 まだ信じられないような有人。当然だわ。私だって、信じられない。でも、嬉しいという感情がそっちよりもずぅっと大きいの。

「久しぶりね、有人」

 あの時みたいに、にこって笑顔をつくったら——いいえ、嬉しくて自然に笑みがこぼれてくるのだけれど——有人も硬かった表情を崩し、柔らかく微笑んだ。


**


 有人を好きになった理由。それは、いつもクールなのにときおり見せる笑顔がとても素敵で。きっとそれに惹かれたのだと思う。
 そもそも話を遡ると、私と有人の仲はずっと小さい頃からになる。
 今は私は白夜財閥の社長の一人娘で、次期社長ということも決定しているという、自分でもお嬢様だと思える身分。でも昔は違った。有人や、彼の妹春奈ちゃんも一緒にいた孤児院で、六歳になってお父様——義理のだけれど——に引き取られるまでそこで私は暮らしていた。周りと違う、銀色の髪の毛のせいでよくいじめられていた私を、有人はいつも守ってくれた。
 今まで感じたことのなかった優しさというものが少し怖く感じ、「どうして守ってくれるの?」と、泣きながら問いかけたら、「俺はその銀色が、大好きだから」そう、答えてくれて。嬉しくて嬉しくて、でも信じられなくて、ますます涙があふれでてきたことはよく覚えてる。そうしたら、まだ名前がなかった私に、「幸って名前にしたらどうだ? 幸せになれるように」って、あの笑顔で言って。貴方がいてくれたらもう幸せだよ、と思ったこともよく覚えている。
 そして私は白夜家に引き取られ、有人とは一度も会っていない。私の引き取られた後、彼は鬼道家に引き取られ、家同士の付き合いはあったけれど。

 ——二人で遊んだ公園。大好きな場所。あの頃の気分によみがえりたくてここに寄ったけど、まさか会えるなんて思ってもいなかった。




 ひとしきり思い出話をし。私は大変なことを思い出したくなかったけれど思い出した。……運転手さんが待ってるんだった……
 血の気がひいた私の顔を、心配そうに有人がのぞきこむ。
 どうしよう、まだ別れたくない。せっかくなんだもの、もっと有人と一緒にいたい。だけどもう何分間経っただろう。待たせていては……
 悩んでいる時間もない。早く行かなければいけないのはわかっている。でもこのまま別れるのは、嫌。伝えなきゃ、伝えなきゃ……!

「ねえ有人っ、」
「な、なんだ?」

 伝えなきゃ、伝え……ああダメだ、勇気がでない。でも、これぐらいは伝えなきゃ!


「私、私ね、有人に会えて、今とっても幸せ!」
「えっ……」

 恥ずかしくて、眼をつぶりながらぎゅっと有人に抱きつく。あああ、今有人なんて思ってるだろう。馬鹿じゃないかとか、思ってないだろうか。
 おそるおそる眼を開けてみると、そこにはとまどっていながらも少し照れたような有人の顔。

「あのな、」

 言葉の続きを、聞きたくないけど聞きたい。

「俺も幸に会えて幸せだ」
 
 頬を牡丹色に染めて、私を抱きしめてくれて。


 好きって言えなかったけど、神様、私はこれで充分です。




了。(タヒねぇぇぇえぇえええええ

ゴメンねカエのん、はいとりあえず死んできます。
というか色々と盛り込められてない要素がありすぎる……! ひいいっ見返すのも恐ろしい。
サッカー関係なし^p^ どうなっちゃったんだ。どうしちゃったんだ俺。元からおかしいけど。
恥ずかしすぎて死にたくなる。マジで穴に入りたい。どうしようか。人のでこれなんだから自分の夢とか一生書けないわ、うん。

えーと、こんなんで本当にゴメンね! 反省しても次に活かせないのが氷橙風クオリティです。
感想待ってるよ! それでは。