二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻11・ボカロ】毒砂糖【空梨逢様・春風様リク完成】 ( No.262 )
日時: 2010/08/28 20:34
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*華やかな微笑みに*+

※女化なので腐ではないと思われます。いや女体化の時点で腐ですねゴメンなさい書きたかったんです。あ、佐久間の肌が白いですが気にせずに。


 きらり、と美麗なクリスタルを何十個も使ってできたシャンデリアが光る。芳香が鼻をくすぐる立派な花瓶にさしてある花。淡く桃色がかったクリーム色の壁と天井、絨毯。そんなお姫様のような部屋の中で、優雅にレースのついたドレスが舞った。

「源田、来て頂戴」

 ——お姫様のような、ではなく本当に一国の姫である彼女、佐久間は金色に輝くベルを上品に鳴らすと、ふう、と溜息をついてこれまた淡い桃色のふかふかそうなソファに沈み込んだ。


**


「どうした、つき」

 いったいどういう仕組みでベルの小さいといえる音が届いたのだろうか。
 一分後、滑らかな茶色の大きいドアを静かに開け、彼女の執事——源田がまるで友達のような喋り方で入ってきた。

「! ……あのねえ、いい加減次って呼ぶのやめなさいよね。自分の立場わかってるの? それと、遅い」

 源田の顔を見たとたんもたれかかっていた——というより倒れかかっていた——ソファから飛び起きた佐久間。薄水色が銀色に煌く、赤いリボンで結ばれた綺麗なツインテールの髪が揺れる。
 言葉は不機嫌そうだが、表情はさっきまでの退屈な影をやどしたものではなく、その蜜柑色の瞳に似合う明るさだった。
 それは単に暇だった時に話し相手ができたから、それだけではないだろう。

「はいはい。……どうなさいましたかお嬢様」

 するとどこか面白がっているような溜息をついてから、わざとらしく跪く源田。そんな源田の茶色の髪の毛をふぁさ、となでると、佐久間は彼のあごを上に持ち上げた。

「敬語は気持ち悪い。いつもどおりでいなさいよ」
「……どっちだよ」

 ぷい、と横に顔を向けて呟くように——しかしそれは源田に届くように——小さい可愛らしい口からでた佐久間の言葉を、彼が聞き逃すわけもなかった。まったく、と言いながらもいつもと同じような穏やかな微笑みを灰色の瞳にたたえている源田をちらっと佐久間は見て。

「なんかクラシックもってきて。今すぐ」

 しかしすぐに後ろに向き、源田の顔を見ずにそう素っ気なく言うと、またソファにもたれかかる。それを見た源田はくすり、と笑うと適当な返事をして、だが丁寧にドアを閉めてでていった。
 人の気配が自分だけになり、別に源田がいた時特別賑やかなわけではなかったが——急な静けさが部屋を支配する。小さい頃から寂しがりやな——本人は隠そうとしているのだが——佐久間は、ドレスにしわがつくのも気にせずに寝っ転がり、クッションをぎゅ、と抱きしめた。


**


「これでいいか? ……って」

 二分後、大きなレコードを数枚抱えて戻ってきた源田。寝っ転がっている佐久間を見つけ、げっと顔をしかめる。

「なんだよその格好……お前一応王女だろ」
「うるさい。早くなんかかけなさいよなんでもいいから」

 クッションに顔をうずめたまま命令された源田は少々イラついたが毎日のことなので何も言わず指示に従う。——毎日のことだから、という理由だけでもないのだが。
 華やかでいて穏やかな曲が広い部屋を包み込むように流れ始め、一段と優雅な雰囲気が増す。
 指示がないためその場を動かない源田。このままだとあの格好のまま寝てしまうんではないかと不安になったころ、ようやく佐久間がソファから起きた。
 ドレスの裾を軽く叩き伸びをし、目を瞑り一息ついて、ようやく気品あふれる王女らしくなる。

「ねえ源田、」

 なに、と軽い返事をする自分の執事の正面に歩み寄ると、美しいルビーの指輪をはめた手をさしのべる。
 微笑とともに小さい声でなにかを囁かれた源田は、数秒とまどったがすぐに笑顔をつくりその白い手を優しくとった。


 “ちょっと一曲踊りません?”




書きたかったんですよ書きたかったんです。

多分二人は両想いですけどあれですよ身分的な^p^ でまあツンデレな佐久間がなんかデレるっていう。
今度暇な時これの佐久間ばーぞんと源田ばーぞんを書いてみたいと思います。
とりあえずすいませんでした。