二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻11・ボカロ】毒砂糖【春風様・ルナ様リク完成】 ( No.373 )
日時: 2010/09/17 22:56
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*反則的強引可愛さ*+
※設定変えてるというか。


「な、エリちゃん、風丸ん家壊しちゃおうか」

 は。
 唐突に、無邪気な子供みたいな笑顔でそんな台詞投げかけられた。一瞬意味が理解できなくて、いや理解しなかった方がよかったのかも、とにかく

「何言ってんのリュウジ君!?」

 そんな簡単に、積み木のお城崩すみたいに、軽く言わないでよそんなこと。
 冗談で言ってるの? そうなの? そうなんだよね、って言おうとリュウジ君の顔を見て、またもや思考が停止する。
 無邪気な笑顔。無垢な笑顔。だけどその切れ長の黒い黒い目は確かにレーゼのものになっていた。なんでレーゼがでてきてるわけ。〝潜む者〟が。

 となると、まずい。ひじょーにまずい。今この部屋にはリュウジ君——いやレーゼと二人きりなわけで、これまでの経験からしてひじょーにまずすぎる。ヤバい、誰か助けて。
 SOSをだそうとしても、なぜか声がでない。目の前にいるのは、姿は——姿は、リュウジ君なのに。いつもならどんなことでも言えるのに、なぜかダメだ。
 恐怖、っていうの? このアホらしいほど怖いもの知らずな私が? 今まででも恐怖なんて感じてなかったのになんで。

 ……一郎太だから?


 私は一郎太のことが好きだ。うん。めでたく失恋したけど好きである。で、どうやら私はリュウジ君とレーゼ両方に好かれているようだ。自意識過剰とかいうな! ……で私は、リュウジ君のことは好きなような好きじゃないような……嫌いではないんだけど、ふ、複雑な乙女心なんだ!
 それでとにかく、私は一郎太のだから怖いのかもしれない。大好きな一郎太が、酷いめにあうなんて絶対嫌だから。
 嫌、嫌、ぜーったい嫌。ましてやちょっぴり惹かれつつあるリュウジ君のもう一つの人格に壊されるとか何それ勘弁、私の気持ちの収集がつかなくなること間違いなし。


 ——どうやらただいま一番考えるべき問題はそれではなかったようだ。

「れー、ぜ」
「嫌なのか? なぜ? まあいい、それなら無理矢理に連れて行く」

 掠れた私の声など気にせず、冷徹ながらもどこか甘ったるい感じがする言葉を耳元に囁く。ぞっとした。〝お前は生贄なのだから〟というかなり酷い言葉にも。

「ね、やめてよ、ねえお願いやめて」

 心なしか私の声は震えてきたようだ。
 ここまで私を怯えさせるなんてやるな。とか感心してる場合じゃ全然ない。
 どうにかして近づいてくるレーゼを、止めなきゃ。止め、なきゃ。でもどうやって。わかんないわかんないわかんない。頭が、ぐっちゃぐっちゃにかき乱れて混乱してくる。こんな時こそ冷静になんなきゃいけないのに、〝恐怖〟という感情に免疫がない私はもう完璧に混乱してしまっている。

「やだ、やだよ、やだ……」

 レーゼの桜色の唇が迫ってくるのが目をギュッと閉じる寸前視界にちらっと映って、ああもうダメだ絶体絶命——別に死にはしないけど——と思って、全てを諦めた。


 何も感じない。

 あれ、どうしてだろう。だって私はレーゼにキスされたわけで、なんでどうして。

「あ、あれ、エリちゃん、……?」

 するとまだ絶賛混乱中の頭の中にぼんやりと誰かの声が響く。次第に鮮明に聞こえてきて、ああそうだこの可愛らしい声って、
 リュウジ君だ。
 でもおかしいな、レーゼだったのに。なんで? ……止めた? 私がレーゼを? でも私何もしてないよ? 偶然に決まってる。だけどまあいいよね、戻ったんだもん。〝潜む者〟は消えたんだ。

 懐かしくてほっとする、リュウジ君の私を呼ぶ声に安心しながら、おそるおそる目を開く。
 いや、まだ戻ってなかったらどうしようとかちょっと不安もあったわけで。
 だけどそんなのは杞憂だった。
 おろおろとうろたえながら、こっちを不安げに見つめてくる〝その人〟は、間違いなくリュウジ君。私の弟的存在のようなリュウジ君だ。

「ね、ねえどうしたの? 泣いてる、よ?」

 誰が? と、抹茶色のポニーテールを揺らすリュウジ君に笑いながら返そうとして、自分の頬が濡れていることに気付いた。
 え、なんで。濡れてる? そういえば目と頬が熱い。……あー泣いてるじゃん、私。なんでだろう。——……色々混ざり合ったんだろうな、きっと。
 ああ、で、そっかレーゼは〝涙〟で消えるんだっけ。混乱しててすっかり忘れてた。でもよかった、ホントに。
 まあそんな安堵は後ですることにして——今はどんどんどんどんこぼれおちる涙を拭かなきゃね。

「あ、えとこれ、」

 すると若草色のハンカチを渡された、じゃなくて若草色のハンカチで顔を拭かれた。リュウジ君に。
 待て待て待て台詞とちょっと合ってなくない? その行動。
 そんな突っ込みが冷静にできる自分にちょっと感激しながら、まだ了承も取らずに拭き続けるリュウジ君の白い細い手首を掴む。

「ちょっと大丈夫だってば、それぐらい。てかさ、」
「だってエリちゃんのこと大好きだもん」

 笑って手を放させようとしたら、——いきなりすぎる台詞を言われた。いや、そこまで衝撃的じゃないんだけどさ。

「ゴメンね、エリちゃん泣かせたの俺だよね。ゴメン。だからさ、」

 一瞬固まってしまった私をじっと見て、ぺこりと頭を下げ。
 あー可愛いーと思う動作だけどんなことはどうでもいい。


〝抱きついていい?〟

 ……了承取らずに実行移すなっての。しかも言葉の前後の繋がりがまったく見えないのですが。

 まあ、たまにはいいよね。……多分。




わー^p^

あれおかしいな、なんだか凄くキャラ崩壊をしているように見えるぞ☆←
しかもとろけるミルクチョコレートのようにといわれたのに……そこまで甘くないっていう。し、か、も、キスが未遂に^p^ お客様のご要望を守らなかった俺って一体^p^
読み返す自信がありません。ホントはもっと色々失態を犯しているはずですがマジ怖くて読み返せないです。

大変お待たせいたしました。そしてもうあぴゃーなことになっちゃってゴメンなさい。
こんな私ですがこれからも何とぞよろしくお願いします。