二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻11・ボカロ】毒砂糖【リク受付中】 ( No.377 )
日時: 2010/09/17 23:49
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*無慈悲な聖母*+


 どうしたの、と聖母マリアのように周りの人々に微笑みかける彼女は、容姿も完璧に聖母のようだった。
 美しい桃色の長髪。風になびくそれは、糸のように細く繊細な彩りに包まれている。海のようなやわらかい蒼色の瞳は、全てを包み込む穏やかさにあふれ、誰もが寄っていく不思議な光を秘めているものだ。
 そんな彼女はまだ十七歳。少女といってもいいだろう。だが、ずっと彼女より年上の大人達でさえ、彼女を求めてしまう。——そして、あまりに眩しすぎる輝きに溺れて焼かれるのだ。
 穏やかさと優しさ。そんな中にある危うさは、本当なら簡単に見えるはずなのに誰一人として見えない、彼女本人も含め。なぜなら、彼女という存在を認識した時、もうすでに溺れかけているのだから。冷静になれば簡単に見つけられるというのに。それほど、殺伐としたこの世界での彼女は、潤いに満ちあふれた聖母だったのだ。

 〝偽りの〟聖母、だが。

 彼女には優しくしようなどという感情は全くない。否、あるのだが相手を思いやったうえでの感情ではない。それは、生まれ持った〝聖母〟という雰囲気に縛られ、優しくしているだけなのだから。優しくすれば熱望の眼差しを向けられるということが心地よいと感じたことも理由の一つかもしれない。
 どっちにしろ、そんな慈悲という〝ヒト〟である限り手に入れるのは難しい感情を彼女は持っていないのだ。しかし誰もが「ある」と思いこみ、それに惑わされて彼女自身もよくわからぬまま無意識に聖母を演じている、ということだろう。

 誰にも、誰にもわからない。気付かない。そしてそのまま溺れていく。

 こんなに人を傷つける〝聖母〟がどこにいるというのだろう。
 そう、いない。いるのは〝偽りの聖母〟だけだ。


 無慈悲だけれど彼等にとってはそれが慈悲。




 これが俗に云う「意味不明」ですよ! なんじゃこりゃ!
 ちょっと書きたくなったんです。いやあ、こういう人、国に二人はいるんじゃないですか? ……多分ですけど。
 あ、ヒンメル様のサイトで書かせていただいたもののコピーです。あ、ダメですかね丸写しは。一応自分のですけど……