二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻・ボカロ】翡翠の波紋【気まぐれ短編集】 ( No.40 )
日時: 2010/07/16 17:43
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
参照: 俺の友達のS.Tはとても物分かりが良く、レクチャーしがいがある。

+*輝く星へと願いははばたく*+


「七夕ぁーっ! イエイ!」
「イエーッ!」

ここはルカん家の広い庭。浴衣を着たミク達が盛り上がる。彼女達の目線の先にはでかい笹。そして手に持つのはたくさんの短冊だった。

「リンちゃん、なに書いたの? 見せて」
「え〜っ、やだよ! 内緒だもんね」
「二人とも仲良いなあ〜」

——うん、仲が良い。カイトとリン、あの二人は。いや、リンは誰とでも仲良く接する性格。
でも——気のせいなのか? 俺には、あまり近づこうとしてないように感じる。

「どうしたの? レンも早く飾ろう!」
「あ、ああ……」

そんなことをぼーっと考えてると、ミクに笑顔で腕を引っ張られ、笹の前に強制的に連れてこられる。近くで改めて見てみると、さきっぽまで見えないほどでかい。

……あの夜空まで届きそうなぐらい。なんて。

もう一回自分の短冊に書かれた文字——願い事を見てみる。それは決して綺麗だとは思えない俺の字で、ちっこく『届きますように』と書いてあった。
なにがだろう、と思うだろう。そう、誰かに見られてもわからないようにしておいた。まあ、彦星と織姫なら理解できるだろう。

別に、本当に願い事が叶うなんて思っちゃいないけど。しょせんそんなの嘘っぱちで——
ああ、それなのになんで俺はわずかな期待を抱いているんだ。馬鹿な俺。こんなのにしかすがることができないのかよ。

「——あの娘への想いが」

小声で呟きながら笹へ短冊をつける。俺の言葉はすぐにリン達のはしゃぎ声にかき消される。

(届きますように)


涼しい夜風に、願い事がなびく。


**


レンが物静かに空を見上げている姿があたしの眼に映る。なにか考え事をしているみたいだった。

——レン、君とは恥ずかしくて傍に居られないけど、でも、大丈夫。
あたし、願い事書いたの。『あたしに勇気をください』って。彦星様達は、きっと叶えてくれる。この空から、あたしのこと、今も見てくれてるはず。

来年の今、君と隣で星空を見ていられたら——
そんな淡い夢を振り払うと、あたしはまた、みんなと仲良く話し出す。

こんなことしてる暇があったら、レンと一緒に居た方がずっと有意義なのにね。——それができないから、願ってるんじゃない。

あたしはクス、と笑うと、とびきり満面の笑顔をつくった。


(作り笑いなんかじゃなく、君と楽しく笑いあいたい、それだけでいいの)


**


いろんな想いがつまった星空は、優しく瞬いた。




最後の一文なんだあれ。というか全てがなんだこれ状態ですよどうしましょ。

すみませんでした。いやいくら謝ってもダメですよねはい。
でも心優しいお方はどうか許してくだせぇ。


次の予定! ふぶきゅんのほのぼの☆
お楽しみに((しなくていいですよ