二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 宮園紫奔様リク ( No.464 )
- 日時: 2010/10/02 09:52
- 名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
- 参照: やべ、3000越え。二つに分けます
+*視線の先には恋情融解!*+
まず最初に説明及び確かめをしておこう。
自分は佐川夏月で、炎のチームプロミネンスのマネージャー。当然、プロミネンスの敵チームダイアモンドダストとは仲が悪いし自分だって嫌っている。
なんだけど、例外がちょっくらありまして。その例外とは説明するのは本気で嫌だし自分の中で理解するのも嫌だしそんなことしたら自分オワっちまうわ! という類のものであって、まあこれでわからないんならそれでよし。むしろわからないでいただきたい。おっけー? ……じゃないよね。
で、とにかくなんでいきなり自己紹介的なことを自分の心の中で語りだしたかというとそれはあれ。うん、その例外という厄介なものをつくりだしたあいつが——ガゼルが、あと五秒ぐらいですれ違う距離にいるわけですよ。因みにここの廊下は妙に長くて姿を発見するのとすれ違うのに結構時間差がある。
で、ここ重要なとこ。ガゼルはダイアモンドダストのキャプテン。よって自分を含むプロミネンスが一番嫌っている傾向にある。
……そう、だから自分はあいつにどういうふうに反応すればいいのかこの五秒ぐらいの間に毎回悩み、毎回睨む。あ、いやいや自分男子が軽く苦手で目があったりすると数秒間目の前に三途の川が視えてたりするから目が合わない程度にギロッとね。睨んでどうにかなるもんでもないんだけど。
だけどなんでか睨むことしかできない。無視すればいいのにね! なんで自分はガゼルを無視できないんだろうっていう、はい、自分でも哀しいです。
……あーあ、自分、どうしてあんなやつに〝恋心を抱いて〟るんだろうなあ。ホント不思議。誰か教えて。そしてこれからどうすればいいのか。実は自分が今一番悩んでるのは試合のこととかではなくこれなんです、こんなくだらない私情で悩んでてゴメンねチームの皆!
なんてことを心の中で言っているうちに、あ、あと一秒ですれ違う。
うー、やっぱ睨むしかないでしょ。意味不明な論理だけど今びみょーにパニくってる自分にはその選択しかなさそうだ。ほらね、結局こうなるじゃんか!
目があわない程度に、「自分は、プロミネンスはあんたのこと大っ嫌いだからねばーか!」という意思を伝えようと、睨む。子供っぽいとか言わない。
だってさ、プロミネンスがあいつを嫌っているようにあいつだってプロミネンスを、自分を嫌っているわけで、どうせ叶うわけないむなしーい恋心なのだから今のうちに消滅させておいた方がいい。だから、今のうちに自分に言い聞かせとかないと。自分はガゼルが嫌いだ! って。
「……ふん」
一回睨んだら目があうことなんてないようにそっぽを向いてただ足を進める。後ろから冷たい視線と鼻先で笑った音が届くけど気にしない。これ以上あいつに構うなんてしてるわけにもいかないし暇もないんだからさ!
……それでも、ちょっと、ちょっとだけ! 気になる。別に特別なことが起こるわけないんだけど。大丈夫だよね、って思ってからちらりと後ろに振り向く。
当然、こっちを見ているはずもなく、視界にはガゼルの後ろ姿が映っただけだった。