二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 海刀様リク ( No.476 )
日時: 2010/10/03 14:16
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*無意識に零れおちた。*+


 今日の練習が終わった。視界に映るものが全部橙色に染められていて綺麗だ。もう夕方かあ。皆キツくなかったかな、と少し心配になりながら後片付けや掃除をする。
 あれ、タオルの上に影が。……誰?

「桜葉」

 私の名前を呼ぶこの声はバーン様だ。私がマネージャーをしているチーム、プロミネンスのキャプテン。
 今は自由時間のはずなのに、どうしたのだろう、忘れ物かな? 何かあるのかな、私が何か失敗しちゃったんじゃ……と不安になって振り向く。
 すると。

「ばー、ん、さま……?」

 視界が真っ暗になった。真っ暗、というよりは何かに覆われた感じ。あたたかい。誰かに、包まれている。——誰か、なんて、本当はわかっているけど。
 肌に伝わる体温と、小刻みに振動する鼓動。小さい頃、よくお母さんにしてもらったあのあたたかさ。私、バーン様に抱きしめられてる。

「杏里、あのさ、」

 下の名前で呼ばれる。こんなの、いつ以来だっけ。それよりも、バーン様は何を言おうとしているんだろう。言葉の続きを聞きたいようで聞きたくなかった。私とバーン様の今までの関係が、崩れ落ちてしまうような気がして。杞憂だったら、いいのだけれど。

「——好き、大好き」

 杞憂だったら、よかったのに!
 耳元で囁かれた。甘い蜜みたいな声。心地よいようでくすぐったくて、どこか心が痛む。バーン様の吐息があたるたびに苦しい。
 ……好き? 好き、って言ったんだよね、バーン様は。それってどういう意味だろう。それって、それって。女の子として好きなんだろうか。妹とかいう意味じゃなくて? 私は——私は、バーン様のこと本当のお兄さんみたいに思っていて。優しくてかっこよくていつも守ってくれて、大好きで、でもその〝好き〟とバーン様の言っている〝好き〟は全然意味の違うこと、わかってる。——どうすればいいの?

「ずっと前から好きだった。お前がいたから俺はここまで頑張れて。——知ってたか、ガゼルもお前のこと好きなんだぞ」
「え、」

 声が震えた。バーン様が私のことどう思ってたのか、それも驚いたけど。でも、ガゼル様が? ガゼル様が——私のことを?

「どっちか選べとは言わねーよ。ただ、俺はこの気持ちを伝えたかっただけ。杏里の気持ちもわかってるから」

 今さらどうにかなるもんじゃないよな、どこか諦めたようにそう呟いたバーン様が、なぜか遠く見えた。こんなに近いのに。
 何も言葉をだせない自分が情けなくて、悲しくて、バーン様達の想いをどうやって受け止めればいいのかわからなくて。

 バーン様の腕の中で、気がつけば泣いていた。
 黙って見守ってくれているバーン様が、すごくすごくあたたかかった。



わー意味不ー。
なんかジャンルがお任せと書いてありましたのでこうなりました。シリアスですかねえ。それにバーン様の片想いだとどう繋げればいいかわかんなくなりまして。
あ、マネージャーって勝手に捏造しました。すみません。

んでは! お目汚し失礼しましたーっ!