二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 友への誕編 ( No.498 )
- 日時: 2010/10/09 08:20
- 名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
◆ 返す言葉は、
「ちーよかっ!」
ばっ、と目のあたりに冷たい感触。あっという間に視界が真っ暗になる。後ろから誰かに目隠しされたんだろな。きっとこの感じは……、
「ハク、でしょ?」
珀。来宮珀。いつもいたずらばっかりしてくるちょっと間抜けで、でも私の大切な友達だ。
そういや最近こういういたずらされてなかったなあ。絡まれると正直面倒くさいから別にいいけど。……というか、あんまり私と関わらないようにしてた、て感じ? げ、私なんか嫌われるよーなことしただろうか。
ちょっと不安になって、だいぶ背が高い珀の顔をじっと見る。……キズだらけだ。それしか感想が。というのは勿論冗談で、なんだかいつもののんびりした感じじゃなく、どこか緊張しているようでわくわくしているような表情だ。珀がこんな表情するなんてなあ、意外。何があったんだろ。
——なーんて、ホントはわかりかけてる、のかな。でも違ったら自分の勘違いが恥ずかしいし。自意識過剰だー、とか言われちゃいそう。だけど珀とか、響ちゃんとか、真優とか、彩華とか、夏希とか。こういう時は、ふざけながらもやってくれる人達だよね。……やっぱり私自意識過剰? あ、自意識過剰の意味を詳しく知らないとか内緒。
と思ってたら。
「うおわっ!」
「はいはい、もーちょい我慢しててねー」
響ちゃんの声が聞こえて、また視界が真っ暗になる。響ちゃんの指の間から蛍光灯の光が入ってくるけど何も見えない。でも、音は聞こえる。がさごそっと。
うーん、なーんかよくわかんない気持ちになってきた。わくわくとか嬉しさとか、違ってたらどうしようとか、期待と不安の入り混じった感じ。この手がどけられたら、私どういう気持ちになるんだろう。嬉しいのかな、やっぱり。
あ、手がどけられた。一気に光が目の奥にまで入ってきて眩しい。——そして、私の予想ははずれていた。
「お誕生日おめでとう、千夜歌!」
一枚の大きな紙を響ちゃんに渡される。色とりどりなその紙は、寄せ書きみたいだった。それは、さっき言った友達とかそのへんだけじゃなくて、たっくさんの人の。……す、ごい。
嬉しいっていうのがはずれたわけじゃない。ただ、嬉しさよりも感謝の気持ちの方が大きかった、何倍も。
十月九日の私の誕生日。誕生日を友達に祝ってもらえるだけで、こんなに幸せになれるなんてなあ。驚きの気持ちもある。
だから、まずはこの一言。心をこめて、言えるといいな。
「——ありがとう、皆」
+
ゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいなんか色々とおかしいよ! おかしいよこれ! 千夜歌の馬鹿っぽさをもっと演出したかったんだけdすみません。
とりあえずお誕生日おめでとうございます! これからもよろしくねー!