二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 海刀様リク * シリアス120% ( No.537 )
日時: 2010/10/20 20:41
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

+*意味と必要と正しさと*+


「へえ、貴方が噂の子ね。イナズマキャラバンでまあまあましな才能をもつ」

 そんな中傷混じりの言葉を投げかけても、目の前にいる豪炎寺修也はこっちをじっと黒い切れ長の瞳で見ているだった。睨む、というよりは見据えるという表現の方が正しい。あまり感情を表に出さない冷静な人とも伝えられたけど、まさにその通りね。

「……俺一人、試合前に呼び出して何の用だ」

 でもやっぱり怒りはあるみたい。当然ね、敵である私が用件も教えないで突然呼びだしたんだから。怒りをもつのも、疑問に思うのも当たり前。
 だけどそんなのどうでもいいのよ。

「ねえ豪炎寺君、貴方はなんでサッカーをするの?」
「……? どういう意味だ」
「そのままの意味よ。早く答えてくださらない」

 戸惑いを微かに見せる豪炎寺。私はサッカーをする理由を聞いているだけなのに。どうして、どうしてお父様の大嫌いなサッカーをするのか、聞いているだけなのに。そうよ、純粋にそれを聞きたいの。本当にそれだけ。

「決まっているだろ、やっていて楽しいから。それが一番の理由だ」
「……のしい?」

 平静を保っている豪炎寺の言葉が、妙に自分の怒りの感情を刺激した。自然と口が開く。棘の付いた言葉が喉を通ってでていくことに、何の抵抗も感じなかった。

「楽しい? お父様の大嫌いなサッカーが? 楽しい!? そんな感情私達はとっくのとうに捨ててるのよ! 全てはお父様の為なんだから! 私達はお父様の道具なんだから! サッカーだって道具なの、楽しむなんてものじゃないの!」

 自分でもこんなにすらすらと叫ぶことができるというのに驚く。それと同時に、自分で言った言葉が自分を締め付けているような気がして怖かった。今までずっと感じて、認めてたことなのに、これが正しいはずなのに。

「道具なんかじゃ、」
「楽しんで、お遊び気分で、サッカーやってる貴方達に私達が負けるはずがない。貴方に私が負けるはずがない。そんなこと有り得ないの! ……貴方だってじきにそれを認めるでしょうね」

 彼の声を遮って、胸やけのする言葉を思いっきり吐きだした。
 そういえば、こんなことしたことあったかしら。自分の思いを素直にぶちまけるなんてこと、あったかしら。なんで彼にはこんなことが言えるんだろう。

「……そうか」
「ッ、それだけ? それだけなの、言うことは?」
 
 ぽつり、と特に意味ものせられていない呟き。それも無性に私のイライラを増幅させる。なぜ、この男はこんなに平然としていられるの。私の言うことなんてどうでもいいの? 

「考えが違うのは仕方がないことだ。だから俺はお前の考えは正しいとは感じない。……まあ、こういうことを言う役は円堂だな」
「……なによそれ」

 熱をもった思考が、そんな豪炎寺の言葉で急速に冷めていった。冷めていくというより、崩れ落ちる、力を失っていく。
 考えが違うのは仕方がないこと。——それは正論だ。でも私はどうしても認めたくない。私はこれが正しいと思ってるから。少なくとも私にとって、この考え方は正しいはずなのだから。
 正しい、はずなの。

「でもどんな考えでも、無駄な迷いは捨てた方が絶対にいい」
「え?」
「自分が苦しむだけだから」

 無駄な迷い。
 その台詞の意味を理解することはこんなに難しいことだったかしら。どうして、どうして混乱してしまうんだろう。どうして視界がぼやけて歪んでしまうんだろう。どうして、こんなに目が熱いの?

「お前が苦しむ必要は、本当はないはずなのにな」

 一旦振り返った彼の瞳が、一瞬悲しそうに緩んだ、そんな気がした。
 私がなんなのかすらわからなくて、もう全てがぐちゃぐちゃで、虚しさに襲われて、独りでただ泣き続けて。

 それでも、彼の言葉を忘れることなんてできなかった。
 すがりつきそうになるほど、あたたかくて優しかったから。



さて、素晴らしく意味不明ですね。しかもシリアスすぎてわけがわからないですね。まず一番に謝ります。本当に申し訳ございません。
私は何がしたかったんでしょう。とりあえず私はそろそろタヒんだ方がいいということがよくわかりました。
……あの、本当にすみません。反省はしてるんですよこれでも。なんだか現実逃避したいぐらい申し訳なさでいっぱいです。
リク、有難う御座いました!