二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 題名なんて知らん ( No.666 )
- 日時: 2011/01/07 21:00
- 名前: 氷橙風 ◆inazumaCHw (ID: yjS9W/Zh)
さらさら、とシャーペンの芯が紙に文字を綴っていく音が、もう何分も続いている。時折、間違いを消すためか消しゴムが擦れる音がする以外は、それしか音がせずとても静かだ。
が、
「あーもーやってられるかこんなの!」
静けさが突如打ち破られた。さっきまで黙々とシャーペンを動かしていた少年——源田は、ばさっとノートを放り投げる。床に落ちたノートが開いたページにあるものは、見るだけで頭が痛くなるような数字の羅列だった。
それを見て、黙々と雑誌のページを捲っていた佐久間は呆れたようにはあ、と溜息をつく。勉強道具を投げ出して床に寝っ転がった源田に冷やかな視線を向け、くどくどとお説教を始めだした。
「あのな源田、あと三日で始業式だぞ? そんなんじゃ宿題終わんねーだろーが」
「じゃあ写させてくれよ……成神に頼んだら『いいですけど一枚百円です』って言われるし辺見達に聞いたら『悪い、やってない』って言われるし頼みの綱はお前だけなんだよ……」
「だーかーら、こんなところから人の力に頼ってたら将来生きてけねーんだっつの」
「お前先生みたいなこと言うなよな」
「うるさい」
寝っ転がったまま眠そうな目で抗議する源田を一蹴すると、佐久間は散らかった勉強道具を拾って源田の目の前に突きだす。ノートから(現実から)目を逸らす源田の顔を無理矢理動かし、シャーペンを握らせた。
「その体勢でもいいから、三時までにそれ終わらせとけよ!」
無理だってば〜、という声はことごとく無視し、佐久間はまた雑誌を読み始めてしまった。
源田は抵抗するかのように、しばらく恨みの視線を彼の背中に送るが佐久間の態度は変わりそうにもない。はあ、と落胆の溜息をつくと、渋々宿題を再開したのだった。
+
オチなんてない。そして佐久間の家で勉強できるなら私は喜んで宿題をやろう。成神の発言は気にしない。