二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 影はやがて、笑い出す オリキャラ募集終了! ( No.103 )
日時: 2010/10/24 21:20
名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
参照: http://PC変わったので名前も変えました。白柊です

#09 暴発 後編

「さぁ……?」

にやりと笑う雲雀。しかし頬には細くも深い赤色の線が浮かんでいた。
そして雲雀の目の前には黒色の刃を持ちながらも冷たい冷え切った目で雲雀を見る陶火が映る。
……こいつには、そんなに安川真理が重要なのか?
雲雀はやや意味が分からない、と言う風な表情を見せつつもトンファーを構える。


「真理ちゃんが死ぬ? そんな事は絶対に有り得ない。上辺だけの情報を知った奴に何が分かるの?」

冷たい目を見せつつも雲雀には分かった。陶火の瞳の奥の奥には熱い火の様な怒りが秘められている事を。
陶火は刃の柄を、筋が浮かび上がるほど強く握り何かを抑える風に刃を地面に着けた。
けれど暫くして何かが切れたのか陶火は刃を地面から離し雲雀と同様、構える。



——————   来   る   。


「何、苦戦してんのさ」

緊迫した躍動感を解き放つかの様に誰かの声がした。
雲雀が目線を上へと上げると其処に居たのは同じ風紀委員でありながら仲の良い—如月 秦が居る。
陶火の刃をギリギリ自分の双剣で受け止めていた。

「この状態を苦戦と呼ぶなんて……相変わらず面白いよね、君は」

雲雀はにやりと笑い再度トンファーを構える。
状況の理は打って変わって雲雀にある様に見えた。
否、1対2の状況では明らかに雲雀に有利なものだ。
……しかし、何処か暴走している力を出している陶火にはある意味これくらいは楽なのかもしれない。


未知の力は最強で潰す。
良く言ったもんだ、と雲雀は心の中で苦笑した。

「……あ、そう言えば、あの赤ん坊から目的は聞いてるの?」

「勿論。“影”の所有者とか言うのが居るから雲雀とツナに手助けしろって言われたよ。面倒だけどね」

余計なお世話だよ、全く。雲雀は心の中での声を言葉に出さず走り出した。
陶火は、それでも顔色一つ変えずに立ち止まる。



けれど、その立ち止まりは何処か余裕そうな表情に思えた。





(…………秦、あいつ一体何?)

(さぁ、良く知らない。何かボンゴレファミリーはあの“影”とか言うのを良く知らないらしいよ)

雲雀と秦はアイコンタクトをしつつも走る。
……そしてその秦の言葉は、雲雀を何処か嫌な予感に陥れていた。
そう、状況の理は完璧に雲雀にある。そして秦もかなりの強さを誇る筈なのだから、さらに完璧だ。
けれど、だけど、それなのに、嫌な予感がする。
雲雀は笑みをやや失い、若干冷や汗を掻く。

……迷っている暇は無いか、どうせ殺すつもりは無い。気絶させる程度で平気な筈だ。
雲雀と秦は同時に陶火に向かいそれぞれの武器を振り下ろす。勿論、細心の注意も払いつつ。





スゥゥゥゥッ



「「!!?」」

ふと、何かが現れる空気の音がしたかと思えばまたも後ろには陶火の姿が居た。
先ほどまで陶火の居た場所には何も残っていない。





そして。



陶火の刃が。



二人に向かって。




振り下ろされた。





ザシュッッッ

何かが切れる音がしたかと思えば、血が流れる。
けれど、雲雀はその音を聞き無傷で居られた。そしてそれは秦も同様であった。
そして秦よりも先に目を開けた雲雀は、驚くべき光景を発見する。



「安川真理…………」











そこには。


陶火の暴発を防いだかのように立ちはだかる、真理の姿があったのだ。