二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 影はやがて、笑い出す ( No.51 )
日時: 2010/07/18 20:47
名前: 白柊 ◆aUgcx1Sc9Q (ID: COldU63y)
参照: http://部活地獄開催間近! 曲は完成する訳が無い!(涙

#02 全てを漆黒に、深紅に———

外へ出ると1人の少女が目に入った。
初めて見る人物ではない。
並盛町では数少ない、私の知り合いである。

「おはよう、真理ちゃん」

少し静かに、けれど明るく話しかけてきた。
彼女は小林陶火。
影を知り、影を持つ。

裏社会を知り、普通に生活しつつも裏社会に潜入している。
私と同様の——————存在。

此処では吹奏楽部に入っているらしく、幸いに話す機会もありそうだ。
裏社会、影とその他もろもろに。


「陶火ちゃん……久しぶりじゃない?」

「こっちに来てから、色々調べてたし……影も裏社会も私たちの〝能力〟もね。」

そう言い陶火は笑った。
少々、苦笑しつつも。

すると近くから、3人ほどの少年達の声が聞えた。


「10代目! 最近平和でつまらないッスね!」
「ははっ、獄寺にも平和ってあるのな!」
「つまらないって……俺はホッとしてるよ」

1人は絵に書いたような不良っぽい少年。
煙草を銜えていて、髑髏のついた指輪をしている。
もう1人はこれまた絵に描いた様なスポーツ少年。
右手には恐らく現在はバット、の物を持っている。

そしてもう1人の少年はおどおどしている感じの少年だ。
どんなワックスを使ったのかと思う程の上向きの髪の毛(どうやら地毛っぽいけど)。

そして少年を見ていると、陶火は私に小声で伝える。

「あの3人が〝存在〟の主要格。言わば最も影を粉砕しやすい人達だよ。」

成る程、と私は思う。
少年達は良く言えば純粋な感じもする。
戦いを乗り越えてきた強豪ボンゴレファミリーのⅩ代目に見えない様な、無垢さだ。

それは真実か、あるいは幻かは知らないが。

「真理ちゃん。私も真理ちゃんと同じクラスらしいの
これから調べる標的ターゲットを考えよう」

そう、私は彼ら———ボンゴレを調べに来たのだ。
ある物事を証明する為に。

「私は並盛に居る他のボンゴレを調べるから、真理ちゃんはその3人をお願いね」
「それ私が主要格調べる事になるじゃん」
苦笑しつつ、私は言う。
あはは、そうだった。と陶火は笑っていた。
これからの物事に、全く不似合いの笑いでもある。




「それじゃ、お互い頑張ろうね」

「……うん。情報はこまめに出しておく」

少し大人びた笑顔になる陶火を、笑顔で送る。
とは言っても途中までは一緒だが。





そして。



後ろに居た存在には、目もくれていなかった。






「やっぱ凄ぇーな……あの2人、影の所有者だけあるって話だ」