二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 影はやがて、笑い出す ( No.53 )
日時: 2010/07/18 22:59
名前: 白柊 ◆aUgcx1Sc9Q (ID: COldU63y)
参照: http://部活地獄開催間近! 曲は完成する訳が無い!(涙

♯03 物事は、過程を巡る

その前に、影とは何なのかを説明しよう。

影は人の背後、あるいは前方にある黒い像の事はこの場合、指さない。
この影は〝幻覚〟いわば、精神の様な存在。
人格と言うとまた違い、影は所有するものなのだ。
影の存在を知り、受け入れ、能力の器となるものが影の所有者となる。
つまり影を所有するものは、幻を扱える。

此処では幻術、と言う方が正しいのかもしれない。
本物ではない幻——————
実態の掴めぬ、影。

それが私達の表している影だ。

しかし影を所有する事で危険性が増える事もある。

それが〝存在〟だ。

幻を切り裂き、真実を見せる———存在。
純粋である光ほど、闇を切り裂くように。
現実であるほど、幻を切り裂く。

影が幻を扱える代わりに存在は力を扱う。
それは刀などの武器でもあり、炎などの力かもしれない。
存在を持つものは、力、そして武器を扱える。

それが、〝存在〟
ちなみに〝存在〟は決して存在に気付いたり、所有する事は無い。
自分の心、あるいは大きな意思が〝存在〟を構成する。
先ほど通り純粋な心を持つものは大きな〝存在〟を構成してるのだ。

そして影は裏社会では珍しいものとして尊重されている。

一部のファミリーを除き。

ボンゴレファミリーは実は影の存在を知らない。
歴代の者も、霧の守護者を除けば影の存在は知らないのだ。
そして霧の守護者はそれを他の守護者には伝えられない。

他には影を教えてはいけないから。


それ程、ボンゴレの者は意志が強かった。

またそれは影にとっては脅威である。





私こと安川真理、そして小林陶火はその存在を調べ、消す事を目的として此処並盛町へやって来た。


存在を乱す、影。

影を壊す、存在。


私達とその少年達は対であり、交わる事のなき存在だった。


——————転校初日にまさかその存在に会うとは。

私は内心陶火に感謝しつつ教室へ入った。
中に居る生徒達は嬉しそうな反応をし、2人目の転入生も俺たちのクラスか!などと話している。

陶火は当然、教室に居て楽しそうに此方を見ていた。

……こいつ、絶対学園生活を楽しんでるな。
私は内心陶火に呆れつつ、教師に促され自己紹介を始めた。



「……フランスから来ました、安川真理です。
まだ慣れない所もありますが宜しくお願いします。」

表面上はその辺で済ます。
フランスに暫く居たのは、事実だけど。

周りから大きな拍手が起こり、私は頭を下げた。

「よし、じゃあ安川には沢田の隣に座ってもらうか……そこに居る小林の後ろだ、分かるか?」

はい、と私は頷き先ほどの少年の隣の席へと行く。
えぇ〜駄目ツナの席かよ!と言う言葉から察し、どうやらその少年はクラスの人気者ではない様だ。
席に着くと少年は恐らく恋愛感情ではない紅潮した顔でこちらにお辞儀した。

「……宜しくね」
「あ、うん! よ、宜しくね!」

何だか、ごく普通の少年みたいだ。

思わず安堵しかける。
……しかし噂で聞いたが短期間で炎の成長をしたりと何かと油断できない。
安堵感をなくし、表情を元に戻す。

すると陶火がそっと私の机にメモを置いた。


〝背後に、要注意〟


何だこれ……と思い一瞬陶火に呆れかける。
……が意図は直ぐに読めた。

後ろの席の少年、確か獄寺とか呼ばれてた人がいる。
しかし驚くべき所は其処では無い。

その、後ろだ。
席は無くついつい見落としていたが、気配で分かった。


呪われた赤ん坊—アルコバレーノ。


どうやら、私達に気付いたらしい。