二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】空は只、青く。 ( No.11 )
日時: 2010/07/23 17:13
名前: 瓦龍、 ◆vBOFA0jTOg (ID: NoHM/no/)

言葉で、
此の腕で、
鉄の強度を誇る弦で、

主の心を縛り付け
僕のモノに出来たのなら

僕の心が奏でてしまう
愚かで、
浅はかで、
苦しみすら感じる。

───唄にもならぬ思いは、

鳴  り  止  む  の  だ  ろ  う  か



▼sky02、闇に陶酔



「では、無事任務を終えた零番隊の帰還パーティを始める!!」

近藤さんの乾杯の音頭と共に最初から盛り上がりを見せる隊士の皆。
真選組との飲み会は、普段色々と抑圧された職場なだけに結構な盛り上がりをする。
流石に服を脱ぐ彼の姿には、僕等も慣れた。

「近藤さん。相変わらず弾けてるなぁ」
「……あぁ。悪りぃな。あんな姿見せちまって」

褌一丁の近藤さんを横目に土方さんへお酌をする。
チラリ、と其の姿を確認して少しバツが悪そうに土方さんはお猪口の酒を飲み干した。

「流石に見慣れた。今更、恥ずかしいとか思わないよ」

土方さんにお猪口を渡され注がれたお酒を口に運びながら応える。
こくりと飲み干せば、ふわりと日本酒特有の香りが鼻に抜ける。

「雅焔、酒は結構イケるのか??」
「嗜む程度に飲むけど、でも直ぐ酔っちゃうんだよね」

だから此れ以上は……と、土方さんにお猪口を返し隊士の方々のお酌に回る事にした。
飲み過ぎると、明日が大変だし。


         —————————──


「雅焔、こっちに来なせェ」

挨拶がてら隊士の方にお酌をしていたら総悟の声が聞こえ、其の姿を探す。
すると退と乙霧の横で一升瓶を抱えた総悟を見つけた。
総悟は乙霧と一緒になって、頬を赤く染めた彼等は結構酔っているようだ。

「ほら、雅焔も飲みなせェ」
「ううん。僕は良い。遠慮しとく」
「見た目は子供、中身は——なんて某漫画の台詞を借りて言うたら、中身は純粋な大人なんやから。安心しぃ」
「いや、言ってる意味が判らないからね。つか、飲まないのは未成年だからって理由じゃないから」

明日から屯所での仕事が始まるからと言い、どうにか断ると退にお酌をした。
まぁ、本当の事を言えば明日はどうせ非番だから別に良いのだが、非番の時に二日酔いは流石にキツイ気がする。

「あのさぁ、退はあまりお酒は飲まないの??」
「うん。俺はやる事あるから」
「やる事……。仕事??」
「うーん。仕事と言うか、此の人達を部屋まで連れていかないといけないからさ」

退が言う、此の人達とはすっかり寝息をたて始めた総悟と乙霧や大の字で伸びてる近藤さん達を指しているようで。
重労働だね、と言えば「ホントだよ」と、ぼやいた。


         —————————──


今日はそんなに飲んだつもりは無かったが、其れでも口にしたのが久し振りの所為もあるのか、既に少しフラフラする。
少し夜風に当ろうと、宴会場をそっと抜け出し縁側に腰をおろした。

空を仰げば綺麗な満月——──。

あの幾つもの星の中に、僕の一族の星があるのだろう。
既に滅び、散ってしまった哀れな一族。
今頃、僕の仲間は何処で何をしているのだろう。

「……雅焔、そんな所にいたら風邪ひくぞ」

ふわり、と。
煙草の匂いと共にかけられた、思いの外優しげな声。

「土方さん……」
「如何した?? 具合でも悪いのか??」
「いや。少し酔ったみたいだから、夜風に当たってた」
「此れ着とけ」

パサリと乾いた音と肩にかけられた上着に残る温もりと、腔を擽る土方さんの煙草の匂い。
ゆぅら、ゆらり。
煙草の先から上がる細い煙。

「結構キツいの吸ってるんだね」
「まぁな」
「土方さん。僕、此処でやっていけるかなぁ」
「……心配すんな。お前等が此処にいるうちは俺達を頼れば良い」
「有難う御座います」
「気が済んだら、中に入れよ」
「は─い」

土方さんは、くしゃりと僕の髪を撫でると広間へ戻っていった。
ふぅ、と小さく溜め息を吐いて、もう一度空を見上げる。

「僕等が、此の世界に来た理由は────」

僕の小さな呟きは、儚く闇に紛れて消える。
上着返さないとと思いつつ、もう少しだけ此の温もりに甘えていたいと思った夜だった。

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