二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 〜天の獣達〜 ( No.11 )
日時: 2010/07/18 12:40
名前: ななしば (ID: X9/3/8Rv)

 今回から、エド視点でいきます。このパターン、好きで……。

 part4「謎の少年」

 「なんか、だんだん暑くなってきてねーか?」

  ぐっと額の汗を拭う。
 「そりゃそうでしょ。南に行くもん。」
 フィーナが呆れたように言う。それもそうか。

  ここから南に行くには、何度も列車の乗り換えをしなきゃならないから、
 とんでもなく時間がかかる。
 「兄さん、フィーナ、次の駅で降りるよね?」
 「おう。」
 「うん。」
 
   *。*。*。
   トイレ

 「ふう……。」
 オレが手を洗っていると、すぐ後ろの一室から、声がした。
 (何だ………?)
 いやらしいと思われるだろうが、気になって覗いてみた。

 ザ—……
 『ねえギルア。例の子達、見つかった?』
 「いや、まだだね。」
 一人の男が、トランシーバーを持っている。こいつがギルアだろうか。
 「この辺りに一人、いると聞いたけど。確か、国家錬金術師と一緒だって。エレナ、何か考えが
 あるんじゃないか?」
 トランシーバーの向こう側にいるエレナとか言う奴は、高笑いをした。
 『そうね、多分その子、白竜よ。』
 (白竜……。)
  ふいにフィーナの顔が浮かぶ。嫌な予感がして、おいとまする準備をした。すると——
 「一緒の錬金術師の話だけど、確か二つ名は……そう、鋼だった!鋼の錬金術師!!」
 「!!!」

  ヤバイ!そう思って飛び出すと——
 「いぎっ!??」
  今度は、見知らぬガキにナイフを突き付けられた。

  今日はなんて日だよ…………。

 「あんたさっきから、何してんのよ〜〜!!!」
 後ろからガキの服を引っ張る奴がいる。こいつは……。
 「フィーナ!?」
 「?……エド!!」
   *。
 「人間が嫌いだぁ!?」
 「そう言う事……なんだよねえ。」

  アルとフィーナの話によると、こいつの名はカイト。見た目からして8歳位の少年だ。
 オレを待っている時、突然襲い掛かってきたらしいが、フィーナを見るとおとなしくなったそうだ。
 そして事情を訊いた時の第一声が、「人間は嫌いだ。」だった——

 「て、なんじゃそりゃ。」
 心底呆れた。こいつ……
 「分かってる?自分が人間だってこと。」
 ……よく言ってくれた、弟よ。
  しかし、急にカイトの目つきが鋭くなった。そして、
 「僕は、人間なんかじゃない。」
 と言ったのだ。
 「…………。」
  オレ達は(フィーナを除く)ますます呆れて、こいつが去るのを待った。

 ……しかしカイトは、オレ達について行く気なようだ……。