二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

イナズマイレブン 私と世界の仲間達 ( No.108 )
日時: 2010/08/25 14:10
名前: 薔薇結晶 (ID: w/o6P.S0)

第19話 「黒薔薇の代償」



黒薔薇は暴走を止めた。
だが止めた時点で遅かった。
ジュリアの視界に入ったのは



倒れたチームメイト。





ジュリア「どうして……どうしてなのよ…っ。どうしてアンタは私の大切な人達を…っ…。」
カンナ「ふふふ…。今回の黒薔薇の代償は、貴方の視力にするわ。まぁ1週間くらいで終わるわよ。待ってなさい。」


そして、ジュリアの視界は閉ざされた。


だがジュリアは諦めなかった。視界が閉ざされても。
四つん這いになってチームメイトをさがす。
最初に手が当たった。腕をたどって顔に触れる。髪の長さを確かめる。

ジュリア「(髪が長い…。ストレート、でもゴムがないからエドガーじゃない…。)アフロディ?」

ジュリアの目の前に倒れているのは、アフロディだった。

ジュリア「アフロディ…、お、起きて…?」
アフロディ「…!ジュリア、だ、大丈夫かい?」
ジュリア「貴方は…?」
アフロディ「…君、目が…蒼くなってる…。」
ジュリア「ごめんなさい、目が、今、見えてないの。」

まぶたは開いている。だが目は見えていない。

アフロディ「僕は、大丈夫だよ…。」
ジュリア「ホント…?…でもケガはしてるね。若干痛そうな声だわ。」

<トンッ>
とふいに肩を叩かれた。しかし誰かが分からない。

「だ、い…じょう、ぶ…か……?」

声はかすれていた。でもジュリアはわかった。

ジュリア「貴方こそ大丈夫なの…?、マーク…。」
マーク「あ、あぁ。……多分、な…。」
ジュリア「絶対、大丈夫じゃないでしょ…。」
マーク「俺は、構わ…な、い…。他、の、ヤツ…の、手当て、できる…か…?」
ジュリア「悪いけど、目が、見えてないの。」
マーク「見えて、ない…のか…?」
ジュリア「うん…。サクラはどこ……?」
マーク「見当たら…ない、んだ…。」
ジュリア「そう…。…みんな!!起きて!!」

そう叫んでも、誰も返事をしなかった。

ジュリア「うっ…っ、ぅぅうっ…。」

泣いている。

ジュリア「私が、もっと強かったら…カンナにも負けない強さを…っ、持っていたらっ!あああぁぁぁぁっっっっっ!!!!」

絶望しか、見えていないのだろうか。
今の彼女には、何を言っても通じないのだろうか。
仲間を傷つけた悲しみは、







           どこまで深いのだろうか。

マークはジュリアに何も言わず、何もせずに、ただただ、立っていた。ボロボロの、体で。


第19話 終わり

ああ、最近悲しい話が続くなぁ…。