二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

イナズマイレブン 私と世界の仲間達 ( No.292 )
日時: 2010/09/20 20:25
名前: 薔薇結晶 (ID: 8e2lADcR)

第15話 「『蒼薔薇開眼』」


マーク「ジュリア。」
ジュリア「何?マーク。」

ジュリアは現在なぜかは知らないがドモンと将棋を打っている。

ジュリア「王手。」
ドモン「あっ、ヤベ。」
ジュリア「…で?何の用かしら。」
マーク「…ドモンは席をはずしてほしい。」
ドモン「って言われなくてもはずす気満々だよ。」

そう言ってドモンは食堂を出た。

ジュリア「…何なのよ。話って。」
マーク「…昨日、メアリー達にあった。」
ジュリア「そう。スカーレット達とは喋った?」
マーク「あぁ。『開眼』についてもな。」
ジュリア「!! 全く、いらない事を…。」
マーク「『パートナー』についても聞いた。」
ジュリア「…。あえて、言わなかったのは、もう誰も傷つけたくないからよ。」
マーク「『パートナー』になって傷つくことでもあるのか。」
ジュリア「私は貴方を思ってこそ言わなかった。確かに『パートナー』になる事は傷つくことじゃない。」
マーク「だったら、なぜ。」
ジュリア「…『開眼』は痛みが付き纏うわ。それだけじゃない。『開眼』を通り越して『解放』までいってしまえば…!!」
マーク「……?」
ジュリア「目が、薔薇に喰われてしまう…。」
マーク「喰われる…?」
ジュリア「言葉のままよ。目がそのまま薔薇に、私達だったら蒼薔薇に、目が呑まれる…。」

<<ガタッ>>
マークが席を立つ。

マーク「お前はリトル・クラウン時代、そんなに臆病な奴だったか、ジュリア!」
ジュリア「え…?」
マーク「俺はお前がそんな弱気な奴ではないと思っていた。」
ジュリア「私は貴方に傷ついて欲しくないからこそ言わなかった!!私がこれまで傷つけてきた人の数を知らないから!貴方はそんな事が言えるのだわ!!」
マーク「俺は傷つきたくないとは言っていないだろ。」
ジュリア「!!」
マーク「『パートナー』は痛みを分かち合うためにいるんだろ?だったら俺が、お前の分の痛みも受けてやる。」
ジュリア「マーク…。」

ジュリアは正直、マークに説教を受けるとは思っていなかった。それに

「傷つきたくないとは言っていないだろ。」

こんな事を言ってくれるなんて、思っていなかった。
だからこそ。
だからこそジュリアは今、泣いているのだ。

自分は2度も彼を傷つけているのに。
彼は、それを恐れていない。
自分は、なんて馬鹿だったのだろうと、今思う。

マーク「俺でいいなら、『パートナー』になってやってもいいが。」
ジュリア「ありがとう…。お願いするわ…。」



その日から、2人の『蒼薔薇開眼』の練習が始まった。

『蒼薔薇開眼』。それは試合の切り札にもなる。
薔薇達は『開眼』することによって自分達の才能をより発揮することが出来る。
それは『パートナー』とやればもっと能力を高める事が出来る。
だが、10分以上『開眼』しっぱなしだと、『蒼薔薇解放』と言い、目が薔薇に呑まれる。
だから、『蒼薔薇閉眼』も習得しなければならない。
もし『解放』してしまった場合は『封印』しなければならない。

薔薇を天から譲り受けた少女達はこの全てを把握した上で、咲き誇るのだ。


第15話 終わり