二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- イナズマイレブン 私と世界の仲間達 ( No.555 )
- 日時: 2010/11/04 21:06
- 名前: 薔薇結晶 (ID: nUN0s48w)
第37話 「“グレイプニル”の代償」
ドモン「ショーン。」
ショーン「僕的は気は進みませんが…。やるしかないですね、キャプテンの命令ですから。」
ドモン「キャプテンと言うより…。」
ショーン「?」
ドモン「女王様だな、ジュリアは。」
鬼道「今の技はかなり状況を悪くしたな…。」
豪炎寺「まさか“グランドファイア”まで一瞬で…。」
虎丸「俺達がやっと完成させたのに…。」
円堂「大丈夫だ!」
全「!!」
円堂「まだ時間はある!」
<<さぁ、現在4−3でユニコーンが優勢です!>>
<<イナズマジャパンは粘り強いチームです。この状況を巻き返せるのか、注目です。>>
虎丸が豪炎寺からボールを受け取る。
だがお得意のボール捌きで次々と交わしていく。
しかし、2人抜いた所で、『奴』が出た。
虎丸「…。」
ジュリア「貴方は私が怖いのかしら?だから、攻めて来ないのね…?<クスッ>」
そんな挑発的な言葉や笑みに駆られ、虎丸は思わず飛び出した。
その時だった。
ジュリア「“グレイプニル”…。」
右腕を心臓の部分でかざし、天へと伸ばす。
そして…。
ジュリア「発動っ!!」
一気に振り下ろした。
途端に土門とショーンが包囲網を編み出す。
そして、虎丸の胸に激痛が走った。
虎丸「ああぁぁぁああっ!!」
ジュリア「…魔狼の痛み、受け取りなさい。」
ボールが足元に渡ったジュリアは近くに居たマークにパスを出した。
ジュリア「くっ……っ!!…負けられない…、負けられないわ…!」
その時に、一之瀬が“ペガサスショット”を放った。
“イジゲン・ザ・ハンド”を破り、ゴールの手前で回転する。
だが、円堂の方へと跳ね返ってしまった。
ジュリア「あ〜らま…。これは…きついわね。」
ここで鬼道にロングパスが渡る。
<<パチンッ>>
鬼道「!!」
足元から荊が伸びてくる。
しかも、一斉に。
そして一瞬で囲まれた。
ジュリア「これは世界で言われる『蒼薔薇の絶対迷宮』…。」
鬼道「絶対…迷宮だと!?」
ジュリア「えぇ、迷宮よ。…だけど今回はそれだけじゃないわ。」
<<パキパキパキ…>>
鬼道「!!」
ジュリア「“クリスタルローズ”…!」
<<バキィィィィッ>>
水晶の薔薇が咲いた。
結晶が太陽光で光り輝く。
そして、ここからシュートを打った。
これをがっちり受け止めて、円堂はハッとした。
円堂「このシュート…フィディオのよりもパワーがある…!!あの位置から打ったのに!!」
ジュリア「って言うか何で私フィディオと比べられてるのよ。」
マーク「アイツにとっての基準なんだろうな、フィディオは。」
ジュリア「ハードル高っ。」
円堂は吹雪に渡す。
だが、前にはジュリアが立ち塞がる。
フェイントを入れてかわそうとするが、アレがきた。
ジュリア「“グレイプニル”、発動!」
そして同じように胸に激痛が走る。
ジュリアはその後も、“グレイプニル”を使い続けた。
そして、全体的に7回目の時だった。
<<ズキッ>>
右腕に、激痛。そして…。
ショーン「キャプテン…!!」
ドモン「ジュリア!!!」
ジュリア「…ぁ…。」
傷だらけになっていた。
少し、いや、結構な量の血も出ていた。
マーク「どういう事だ…!?」
カズヤ「ジュリア…大して派手に転んでないだろ?」
ジュリア「えぇ。…でも大したことじゃないわ。」
ショーン「キャプテン!!もう強がらないで下さい!!!」
ジュリア「!…ショーン…!?」
ドモン「そうだぜ!使いすぎなんだよ!!」
ジュリア「アスカ…。」
マーク「どう言う事なんだ!ジュリア!!」
カズヤ「もしかして…“グレイプニル”か!?」
ジュリア「…ふふっ…どうしましょうかね…壊れそうだわ、人格が。(違う意味で)」
ジュリア「そうよ。この傷は“グレイプニル”の代償。」
マーク「代償…だと!?」
ジュリア「“グレイプニル”は使うたびに右腕に傷が付く。最初の方はどうにかなると思ったけど…。」
ジュリア「案外、駄目なものね。」
マーク「お前はいつもそうやって無理をっ…!!」
<<ガッッ>>
と、ジュリアの肩を掴んだマーク。
だがジュリアの表情は…。
悲しみを笑顔で押し殺したような顔だった。
マーク「っ……、もう…無理はしないでくれ。」
ジュリア「……ごめんなさい。」
その瞬間、ジュリアは崩れ落ちた。
マーク「!! ジュリアッ!!」
ジュリア「あっはは…。面白いわ…。」
カズヤ「この状況で、何が面白いんだ!!」
ジュリア「…何で?私が尽きるのは、滑稽でしょう?」
ドモン「何言い出すんだよ!!」
ディラン「that's right!!滑稽なんかじゃない!!」
ジュリア「…。」
あぁ、私は…いい仲間を持ったわね。本当に…。
ねぇ?お父様…?
<<スッ>>
と、ジュリアが立ち上がる。
ジュリア「私は、全力でこの試合に勝つ!!」
ユニコーンの選手はジュリアに向き直る。
ジュリア「さぁ、勝利を…手にしましょう。」
全「おぅ!!」
監督「待て!ジュリア・クラウン!!」
ジュリア「何でしょう、監督?」
監督「お前は交代だ!」
全「なっ…!?」
ジュリア「監督…。監督が今、私を抜くなら…私はユニコーンを抜けます!!」
全「ええぇぇえぇっっ!?」
この発言にはユニコーンだけでなく、イナズマジャパンも驚いた。
ジュリア「私は選手生命の全てを賭けてでも、ユニコーンで世界の頂点に立ちたいんです!!」
監督「…好きにしろ。ただし。…イチノセ、お前は交代だ。」
カズヤ「えっ…!?」
ジュリア「どうしてこのタイミングでカズヤを抜くんですか!!」
マーク「そうです!カズヤは攻めの中心、チームの中心的人物なんですよ!?」
監督「これだけは絶対だ。」
カズヤ「…みんな、後は頼む。」
ジュリア「カズヤ!!」
カズヤ「!」
ジュリア「…ちゃんと、見てなさいよ。私達のプレーを。余す所なく…!!」
カズヤ「……あぁ。」
ジュリアの右腕の負傷、一之瀬の交代。
これを乗り切れるか…!?
第37話 終わり