二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達 逃走中09、10更新! ( No.854 )
日時: 2010/12/05 16:54
名前: 薔薇結晶 (ID: FIlfPBYO)

第53話 「覚醒、創造神」



ジュリエル「…抜け出そうにも、これじゃぁね…。」

天空の宮殿で囚われているような立場であるジュリエル1人には、脱出はほぼ不可能である。
しかも天空の使徒は今、外のグラウンドで戦っている為、宮殿には居ない。

ジュリエル「…はぁ。」

そんなジュリエルの頭の中によぎった言葉。

『其処から抜け出したいか、愚かな人間よ。いや、基人間ではないな。』

ジュリエル「!!!」

『ふふっ…。哀れだな、ジュレール。』
ジュリエル「誰っ…、!!!」

ジュリエルの前には、同い年くらいの少女の姿が。

ジュリエル「…天空の使徒には居なかった…。」
???「当然であろうが。我は亡霊だ。」
ジュリエル「はぁ…?」
???「我が名を知っておるか?ジュレール。」
ジュリエル「私はジュレールじゃないわ!」
???「ならば…名は?」
ジュリア「ジュリエル…いえ、ジュリア・クラウンよ!!」
???「…そうか。ならば我も名を名乗らねばいけんな。」

「我が名は、天魔創造神イシュタリア。」

ジュリア「いっ、イシュタリアですって!?」
イシュタリア「そうだ。父母にはイシュリーと呼ばれていたがな。」
ジュリア「そう…。イシュリー、抜け道とか…無いのかしら?」
イシュリー「我がこの宮殿を作り上げたのだ。あるに決まっておろう。」
ジュリア「教えて…、下さい。」
イシュリー「何故行き成り畏まる。」
ジュリア「貴女の方が敬うべき存在のような気がするから。」
イシュリー「気にするな。ため口で良いぞ、ジュリア。」
ジュリア「わ、分かったわ…。で、何処なの?」
イシュリー「来い。」


イシュリーことイシュタリアはジュリアを部屋から出し、天空の使途も知らないらしい抜け道に案内する。
そして、壁画の前で止まった。

イシュリー「…(さて、始めるか。)ここだ。」
ジュリア「…隠し扉でもあるの?」
イシュリー「いいや。…ここは私の宮殿への入り口だ。」

そう言うとイシュタリアはジュリアの耳元で囁いた。

『我が名は天魔創造神イシュタリア。』
『天使は我が心、悪魔は我が魂。』
『天使の翼よ、悪魔の羽よ。』
『我を天界と魔界の交わるマグニートの地へと導け。』

『目覚めよ。神秘迷宮、“アヴィス・アンド・ホープ”。』
『創造神は目覚めた。再び彼の地へと創造の女神イシュタリアをお連れせよ。』

と。
その時、静かに、創造神が覚醒した。

イシュタリアは、ジュリアの体を乗っ取ったのだ。


イシュタリア「………久しいな、この空気は。」

ジュリアの体、ジュリアの声。
しかし、ジュリアではなかった。

イシュタリア「…さて、…行こうか、『Abyss And Hope』へ。」

イシュタリアは己の紅い目を妖しく輝かせて、ジュリアの青い薔薇の髪飾りを床に叩きつけて。

 消えた———————————


第53話 終わり