二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA 傍の刃 ( No.1 )
日時: 2010/07/20 16:18
名前: ミホ ◆3Z7vqi3PBI (ID: aHnc/Oh6)



 真田幸村は護衛をしていた。
 御館様(武田信玄)の親戚にあたる女子の護衛中だ。

 歳は幸村と同じか、1つ下ぐらいに見える。
 背中には、「柳鶯 —りゅうおう—」と彫られた刀が横にしてかけられている。
 
 武士の中で「刀は腰」というのが当たり前だった。
 槍使いの幸村でも知っている事だ。
 裏を返せば、それだけ常識なのだった。

 「ところで桜花殿。何処まで行くのですか?」

 桜花おうかと呼ばれた少女は振り向いた。
 馬の速度を落とし、幸村の隣を走る。

 「奥州まで、もうちょっとです。」
 
 奥州とは、独眼流の伊達政宗がいる領地の事だった。
 政宗と幸村は、良きライバルである。

 「政宗殿のところへですか?何ゆえ__」
 「独眼流には会いません」

 即答で返事をされ、話を切られてしまった。

 「ただ、奥州には取りに行かなくてはならない物があるので。迷惑かも知れず、申し訳ないです。
遣いの物に取りに行かせればいいのですが、これは自分で取りに行きたくて・・真田幸村、迷惑をかけてしまい申し訳ないです。」

 「気にしないで下され、御館様に頼まれた以上、断る訳には行きませぬ。某、しっかりと護衛させてもらいまする!!」

 「・・有難う」


 桜花は礼をいうと、馬のさらに速く走らせた。
 幸村とは、少しの間が空いた。

 奥州は、もう目の前に見えていた。