二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA 傍の刃 ( No.10 )
- 日時: 2010/07/24 16:43
- 名前: ミホ ◆3Z7vqi3PBI (ID: .5n9hJ8s)
もうすぐ夕暮れがくる。
家では凛が夕餉を作っている頃だ。
「あっ」
少し大人びた子共の声がした。
だがそれは自分自身の声。
相変わらず、可笑しくて苦笑してしまう。
「かったっく〜らさんっ。お久しぶりですね」
「・・・影也か」
呆れたような声が返ってきた。
この人は片倉小十郎。 自分の中では信用できるとても頼りになる人の1人だ。
「この前持って来た鍔と刀。直りましたよ。後で取りに来て下さい」
「結構早いな・・」
「そりゃぁ・・・暇ですから」
影也は声を立てて、笑った。
本当は後で直そうと思ったが、さっき、とある少女と凛に急かされたので直した。
片倉さんに言うと怒られそうなので、黙っておこう。
「明日にでも取りに行く。金はその時でいいか?」
「まいどあり—。別にいつでもいいですよ〜」
「分かった。 ・・・しかしお前の店は遠いな」
「そうですか? いや〜・・・あんまり人の中って・・・・・・息苦しくって・・・・・っ」
愉快そうに笑っていた声は、途中から低くなっていった。
「・・・・まぁ、仕方ないな」
小十郎は分かっている様な顔をしていた。
___だからこの人と話すのは気が楽になる
「じゃぁ、俺行きますね。凛が待ってるんで。政宗サンにも防具、武具なんでも直しますよって伝えといてください」
近くに止めていた馬に乗り、全力で駆ける。
風が目に当たり、痛くて涙が出た。
「・・ってぇ・・」
途中、村人と会ったが、気にしないで走り続けた。
目もあわせない。
仲が悪いわけではない、むしろ良いほうだ。
「___おかえり」
気がつくと、家の前に来ていた。
とても顔のよく似た少女が家の前で出迎えていてくれた。
彼女は双子の妹。唯一の自分の家族。
「汗すごいよ、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫・・。明日、片倉さんが来るから大人しくしてろよ?」
「・・・うんっ」
彼女は笑顔でうなずいた。
本当に大人しくするかどうかは分からない。
きっと得意のお喋りを始めるだろう。
「夕餉できたよ。食べよ?」
「そーだな」
♪
昔々、とまではいかない少し前の出来事。
尾張の第六天魔王、織田信長が支配していた世の中は、何もかもが絶望した世界でした。
人々は苦しみ、嘆きました。
そんなある日の事。
眼帯の男と、赤い鉢巻をした男とその部下達が織田信長とその仲間達を見事、倒したのです。
世界は再び平和に戻りましたが、心の傷は完全に直ったわけではありませんでした。
双子は、眼帯をした男の部下たちに助けられました。
織田軍の兵に追い詰められたところを助けられたのです。
ですが、両親を亡くした双子の傷は完全に治ったわけではありませんでした。
それでも双子は懸命に生きてみようと思ったのでした。
双子は後に、お店を開き、人々を幸せにしようとしているのでした。