二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA 傍の刃 ( No.7 )
日時: 2010/07/22 16:21
名前: ミホ ◆3Z7vqi3PBI (ID: BnWHiz3B)




 桜花は家に近づくと3回程、扉を叩いた。

 「私。直ったんでしょ?取りに来たよ」

 扉が開いて、桜花と同じ歳ぐらいの女の子が座っていた。
 別に、驚いた様子もなく、笑顔で座っていた。
 
 「・・・いらっしゃい」
 「久しぶり♪ あ、この人は真田幸村。怪しい人じゃないから大丈夫だよ。私の護衛中。
 信玄様の御弟子さん、だよね?」
 「そうでござる。 桜花殿、ここは一体・・」

 幸村は家の中を見回した。
 店と言う感じは無く、普通の家と言う感じだった。

 「ここは鍛冶屋ですよ」

 目の前の少女が、笑顔で説明した。
 聞かれたことが嬉しいのか、さらに笑顔で続ける。

 「色々な防具、武具などを直したり作ったりしているんです。他にも、3日に1度、茶屋をやったり、情報提供をしたりしているんです。 知っている人は知っている隠れ家的なお店なんですよ。合言葉は扉を3回叩くだけ。もちろん、私一人じゃ無いんですよ?私の双子の兄とやっているんです。
 兄が防具、武具を直したり、作ったりして、私は茶屋を経営してます。まぁ、簡単に言えば・・製作は兄、営業は私ってことですね。あ、情報提供は共同作業ですけど・・って聞いてます?それから____」


 バコッ____



 短い鈍い音がした。
 続いて女子特有の甲高い声がする。

 「いったぁぁぁ?!」


 少女の後ろに、彼女と同じ顔立ちをした男の子が立っていた。
 右手には書物が握られている。

 「2人共困ってるだろ・・・。___悪いな、コイツ喋りだすと止まらなくなるから」

 「い、いや、別に平気だけど・・」

 「俺は影也(かげや)コイツは凛(りん)。まぁ、宜しく。真田さんの活躍はいつも聞いてますよ」

 「そうなのか・・」

 「まぁね。 桜花、ん」

 影也は、黒い袋を桜花に渡した。
 何だか長細くい。先端部分には、紫色の紐で結ばれていた。

 「やっぱり直ってたんだ。有難う」
 「桜花殿、その袋は一体・・・?」

 「あぁ、これはですね、刀ですよ。 この前刃こぼれしてしまったので直してもらったんです」
 「では・・桜花殿のその刀は?」

 幸村は桜花の背中の刀を指差した。
 綺麗な鞘と柄で、刀とすぐにわかる。

 桜花は背中の刀を外すと、馬に縛り付けた。
 だがそれは「刀」ではなく、「木刀」だった。

 「木・・刀?」
 「はい、木刀です。子供のときに使っていた物ですけどね、壊れたから代用品として使ってました」

 影也から貰った刀を取り出すと、桜花は鞘に終った。
 鞘は「柳鶯」と名前が彫られていた。
 この刀の名前だろうと幸村は思った。

 「昔は父上様や母上様に怒られたのでこっそり使ってたんですけどね。 今は護身用として持つ事を許されたので持ってるんですよ。」

 桜花は馬に乗ると、幸村を見下ろした。

 「さ、用事は住んだし、帰りましょう?急がないと日が暮れますよ?夕餉も早く食べたいですし」
 「そうでござりますな」

 幸村も馬にまたがると、走り出した。
 行きより速く帰れる気がした。


        ♪


 「じゃぁ、俺は片倉さんに直ったって言ってくる」
 「・・・いってらっしゃい。・・・気をつけてね」
 「・・・留守番宜しく」
 「・・大丈夫だよ。速く帰って来てね」
 「・・・おう」


______少年は馬に乗った。