二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA弐【月夜の歌姫〜罪無き花〜】 ( No.10 )
日時: 2010/07/23 15:48
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
参照: http://yaplog.jp/000331/

第1話 〜川中島 PART4〜
政宗が跳んだ後、小十郎は後を追うように跳ぶ。
跳んで来た政宗達を見た秀吉は、グッと拳を握って気を溜め放つ。
政宗と小十郎はその拳を避けた。
ただの風圧だけでも、地面の砂埃が舞う。
政宗と小十郎は着地した。
政宗は小十郎が追って来たのに驚き声の声を上げる。

「小十郎!」

政宗の言葉を聞いた小十郎は即座に返す。

「政宗様っ、相手は二人。この小十郎に加勢のお許しをっ!」
「…All right.仮面の男は任せたぜ」

政宗は承諾した後、少し笑みをし秀吉の方を見る。
秀吉は後姿を晒している。
政宗はその後ろを付く為、走って跳んだ。
小十郎は政宗を見た後、半兵衛を見て刀を取った。
政宗は素早く雷を発生した刀で攻撃するが、秀吉にガードされる。
秀吉は攻撃の合間に、吹き飛ばす。

「おわっ!」

政宗は吹き飛ばされたが、ズザァっと足で踏ん張った。

「くっ…!」

あまり吹き飛ばされない政宗は少し驚きの表情だ。
秀吉は構えた。
隣では小十郎と半兵衛が戦っている。
どちらも互いに攻撃のように見えるが、攻撃の間にガードもしていた。
ガキンッと音や火花が飛び散る。
そして、互い刀で押し合う。

「…ぐっ!」

少し小十郎は力押しな為、手に力を入れてから少し余所見をする。
そうした後、互いに弾き半兵衛は即座に振るった。
だが、小十郎は一足早く跳ぶ為空振り。
半兵衛は何かに違和感を覚えた。

「——はっ!」

さっきまで気にしていなかったが、下にいる武田軍と上杉軍、伊達軍が…——動いていた。

「如月様、行きましょう!」
「——…半兵…衛」

如月は半兵衛を少し見て名前を呟いた。
半兵衛はただ見た後、後ろを振り向く。

「Wall Dance!!」

六爪流を操って雷の牽制を出す。
秀吉は溜めた拳で叩く。

「砕けろっ!!」

叩かれた地面がまるで生き物のように、牽制技に突っ込む。
その二つの技がぶつかる前に、小十郎は雷を纏い刀を振る。

「うおぉぉっ!!」

政宗と同じ牽制技を出す。
三つの技は力が強く、しかも光が強い。

「くっ…!」

政宗は風圧を受けて少し膝を付いたが、また立ち上がる。

「政宗様っ!この機に、我らも引きましょう!」
「——はぁ?」

小十郎の言葉に政宗は反応した。
一瞬自分の聞き間違いなのかと思う政宗。
だが、小十郎の言葉を間違えるなどありえない。

「はぁ…!」

下を見ると、豊臣兵が光でやられている間に武田軍と上杉軍は行動を開始。
素早く行動をする。

「Shit…!」

素早く政宗と小十郎は移動して馬に乗り込む。

「HA!」

伊達軍も政宗を先頭とし移動した。
それを追おうとする兵もいたが、半兵衛が言う。

「追わなくて良い」

その言葉で半兵衛を見るように向く。
秀吉はもう歩き出す。
半兵衛も追おうとするが、さっきの行動の違和感を作った——小十郎に少し気にした。

「…なるほどね。…彼が政宗君を」

半兵衛は笑みを漏らし帰る。
明るかった秀吉がいた場所は、居なくなったのと同時に雲行きが悪くなる。

———…

「——っ!」

もう日が夕暮れとなる時、慶次はやっと川中島に着く。
だが、もう川中島には…——古き友人も川中島で戦っていた武将の姿が無い。
その代わり、戦でやられた兵達の遺体がものの痛さを残していた。

「俺って奴は、また肝心な時に間に合わずかよっ!」

慶次はギリッと歯音を立てた。
肩に乗っていた猿「夢吉」は心配するような声を漏らした。
馬から下りて、三歩位進み夕暮れに向かって古き友人の名前を呟く。

「——秀吉…っ!」

呟いた後、左手で首にかけていたお守りを掴み空を見上げる。

「お前…っ!」

時は群雄割拠の戦国時代。
だが、慶次にとっては戦国時代の場合ではなかった。