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第零話；その執事、降臨


星降る夜に、月照る夜に。
数多の享楽が奉られました。
幾多の生贄が捧げられました。
享楽は甘受され、生贄はとある＜悪魔＞により選抜されたのです。
『さぁ、私が欲しいのならその手を伸ばして。
　貴方は私を召喚よびだしてしまった。
　その事実は未来永劫変わらない。捧げられた享楽と生贄はもう戻らない。
　・・・・ここから先は貴方が決めること。貴方が定めること。
　さぁ、心が決まったのなら私を呼んで。
　甘く、甘く、砂糖を溶かしてしまうような甘い声で、どうかご命令を』
美しい姿をした悪魔は、幼くも美しい主人マスターに向かって呼びかけます。
幼くも美しい主人は、悪魔の問いかけに、美しい笑顔をもってして応えるのです。
「命令。ここに居る、全ての人間を殺しなさい」
『・・・イエス・マイハイネス』
血塗れた契約は成されました。
儚くも美しい、喜劇と悲劇の交じり合った歌中劇ミュージカルの幕は、上がったのです。