二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.107 )
日時: 2011/06/22 22:55
名前: キリン (ID: ucEvqIip)

第三六話;その執事、裏切


「おい、セバスチャン!!セレスティはどこに行った!!!!」
「・・・・・・いないんですか?」

朝食を作っているセバスチャン(本当はバルドの仕事なのだが炭ばかり作るので追い出した)が驚いた顔をして言った。
シエルは肩を大きく動かしながらゼエゼエと息を荒くしている。


「ハアッ、ハァ・・・・・・部屋の窓があいていて誰もいな・・・セバスチャン!?」


セバスチャンは部屋まで走って行った。
扉を無作法に開けると、そこには誰もいない。
ベッドは丁寧にシーツが畳まれていて、食器もきちんと並べてあった。
・・・・小さな手紙と一緒に。


<−−−−−−−−−−主人の元へ、帰ります>


「・・・・・やはり、こうなりましたか・・・」

わかっていたかのように、セバスチャンは呟き手紙をくしゃりと握りしめた。



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「ただいま戻りました。フィオリア様はお元気でしょうか」
「やあ、セレスティ。随分と遅かったね・・・・・元気だよ、ほら」


男は、ソファに寝ているフィオリアに視線を投げた。
セレスティも安堵したようにそっと目を細めた。


「それで、<お別れ>はしてきたのかい?仮初めとはいえ主人だったんだろう?それに、セバスチャンも・・・・・」
「はい。私が居るべき場所はあそこではありません。・・・・・仕えるべき<真の主人>こそが、私の居場所です」
「・・・・・ほう、さすがは<悪魔>。忠誠を貫き通すのが美学だと知っているようだ。・・・・・ああ、でも君は」



------------------------半分だけだけどね-------------------------



「・・・それで、どうなさるおつもりですか。殺されるんですか?シエル・ファントムハイヴを」
「そうだね。この世界に悪魔の契約者が私以外にいるのはとても厄介だ・・・・・・・でもできるのかい?君に」
「ええ。もう赤の他人ですから」
「頼もしいね。・・・・・・・・では殺しに行こうか、君と、私と、フィオリアで・・・・シエル・ファントムハイヴを・・・」
「了解致しました。漆黒の支配者、アスタロティエ様」


セレスティが深々と頭を下げるのを見て、男、アスタロティエはにやりと笑った。


「・・・・せかいが、こわれるおとがするわ・・・・・・・・・・」


目が覚め、瞳を開いたフィオリアが小さく呟く。
その声が向かう先は、幸福か、絶望か・・・・・・・・・。