二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.26 )
- 日時: 2010/07/26 18:04
- 名前: 泡沫 ゆあ (ID: h9T9UkU2)
第九話;その執事、再会
雨が強く降っている夜のこと。
シエルとセバスチャンは書類整理に明け暮れていた。
「・・・・・・セバスチャン、何か甘いものをもってこい」
拗ねたような顔でそう告げるシエル。
「いけません。このような夜更けにデザートなど・・・・。
お体に障るものを、主人に出すわけにはいきませんから」
そんなシエルを視界に入れることなく一刀両断するセバスチャン。
わかりきった答えだったが、シエルは更に拗ねた顔をして書類と向き合う。
ギスギスとした空気。誰が邪魔できようか。そんな人間は、きっといないだろう。
・・・・・そう、<人間>は、だ。
「フフフフフフフフフフフフフ・・・・・・・」
ゾワアァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
不気味な笑い声が聞こえた途端、二人の背中に悪寒が走り、鳥肌が立った。
「・・・・今、何かとてつもなく嫌な声が聞こえた気がしたんだが・・・・・・・・」
「気のせいでしょう、坊ちゃん。さあ、仕事をなさってく「ちょっとちょっとぉ!!!」
何無視してくれちゃってんのぉ?!と低いとも高いとも取れる声が部屋に響き渡る。
そして・・・・・。
ガシャアアアァァァァァアアアアアアアン!!!!!!!!!
窓ガラスが割れ、悲しいほどに予想通りの人物が現れた。
「お久しぶり〜セバスちゃんv会いたかったわ〜vvv」
真っ赤な髪に真っ赤な洋服、全てを赤に包んだ男(?)、グレル・サトクリフ。
セバスチャン目掛けて突進するが、いとも簡単にかわされてしまう。
「相変わらず冷たいのね、セバスちゃんvそんな所も好きヨ」
クネクネと腰を動かしながら言われても・・・・と思う。
「で?本日は一体何の御用ですか?生憎死神とお会いになる予定は有りませんので」
シエルを庇うように前に立つセバスチャン。
グレルはノンノン!と指を左右させると分厚い紙の束を差し出してきた。
「今日はここに載ってる奴について聞きにきたのヨ。
この前、セバスちゃんとそこのガキがコイツと居たのを目にしたから知ってると思って」
「誰がガキだ、誰が」
言いながら、グレルから受け取った書類に召を通す。
「!!!おい、変態!!!この写真は・・・・」
「ちょっと!!誰が変態ですってぇ?!」
「迷うことなく貴方ですよ、グレルさん」
ギャーギャー騒いでいる中、シエルは驚愕で目を見開いていた。
その原因となった写真に写っていたのは・・・・。
「・・・・・フィオ・・・・」
血塗れたフィオリア・シェリーヒューストンだった。