二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.32 )
日時: 2010/07/27 00:49
名前: 泡沫 ゆあ (ID: h9T9UkU2)

第十一話;その執事、宣戦


「フィオリア様は、御両親を亡くされた後の三ヶ月間行方知れずとなっていました。
 その後、セリーさんと供にシェリーヒューストン邸に帰還されています。
 ・・・・・・・それから、毎週金曜日にセリーさんを連れて居なくなられるそうですよ」
「・・・・同じだな、僕と」
期間の長さは違えどな。とシエルは持っていた書類を床にばら撒いた。
「・・・・女王陛下から手紙が来た。正式に<フィオリア・シェリーヒューストン>を
 抹消するように、と・・・・・・」
蝋印が押された手紙をセバスチャンに投げつける。
それを指先で受け取り、中身に目を通す。
「・・・・確かに、そう書いてありますね」
丁寧に中身を封筒に戻し、すっとデスクの上に置く。
その一連の動作を見終える前に、シエルは立ち上がる。
「行くぞ、セバスチャン。・・・・・今日は金曜日だ」
「・・・・・・・御意」
部屋の出口へと向かうシエルとセバスチャン。
そのシエルの表情は、眉がハの字に下がり、苦虫を噛み潰したかのようなモノだった。



「今夜はルナが綺麗ね・・・・・格別だわ」
「左様でございますね、お嬢様」
血の鉄臭い匂いが立ち込める中、二人は立っていた。
美しいフィオリアの黒髪は、返り血で真っ赤に汚れていて。
服も、靴も、肌も、全てが血で汚れていた。
「さあ、セレスティ。早く魂を「そうはさせない」」
フィオリアがセレスティに命令しようとすると、静止の声が後ろから響く。
「・・・・まあっ!!伯爵!!!来てくださったの?」
嬉しい!と言いながらクスクス笑うフィオリア。
「伯爵がいらっしゃったということは・・・・・女王の番犬として、獲物(私)を狩りに来たのかしら?」
ストレートに問うてきたので、シエルもストレートに返す。
「そうだ。女王の憂いを晴らすため、お前を狩りに来た。フィオリア・シェリーヒューストン」
そう言ってシエルは振り返り、眼帯を外すとセバスチャンに高らかに叫ぶ。
「命令だ!!フィオリアを殺せ!!!!」
「・・・・イエス・マイロード」
にやりと笑い、フィオリアに向かって歩いてくるセバスチャン。
そんなセバスチャンに立ちはだかるのは、フィオリアのファントムであった。
「、どいていただけませんか?セリーさん」
「・・・・・どくわけにはいかない」
セレスティはフィオリアを庇うようにしながら、セバスチャンに立ち向かう。
「お嬢様を、殺させるわけにはいかないんだ!!!!!」
セレスティはフィオリアに向かって叫ぶ。
「お嬢様、どうかご命令を!!!」
フィオリアは一瞬悩み、こう告げた。
「・・・・私の邪魔をする奴を、殺しなさいセレスティ。
 ・・・・・・・・命令よ」
「イエス・マイハイネス!!!!」
命令を聞き終えると、セバスチャンに向かって襲い掛かる。
それを見たセバスチャンは小さく笑い、呟いた。
「ゲーム、開始ですね」
悲劇の幕は上がった。
舞台を降りるのは、果たして誰なのか。