二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.55 )
日時: 2010/09/01 23:01
名前: 泡沫 ゆあ (ID: h9T9UkU2)

第十八話;その執事、潜入


「・・・・・さて、狼月を探さなくては」
セレスティは辺りを見回した。
ここは、所謂裏パーティの会場。標的ターゲットである狼月が出席している・・・・らしい。
なんの趣向かは知らないが、出席者は全員中華服を身につけている。
勿論。セレスティも例外ではない。
長い黒髪を両サイドに上げて団子にしていて。
黒と紫のチャイナドレスを身につけていて、会場の誰よりも美しい。
・・・・・が、当の本人はそんなことに気が付いていないようだ。
「あそこまで真面目にやられると、何だか僕も仕事をしなければならない気がしてきたな・・・」
「・・・・・・・・」
セレスティが心配になって潜りこんだシエルとセバスチャン。
シエルは青い中華服を着て、眼帯も龍の模様が描かれている。
セバスチャンは黒。とにかく黒。
「・・・・・・おい、いつまで黙っているつもりだ」
そう。先ほどから全く話さないセバスチャン。
すねているのかと思いきや・・・・。
「なんですかあのスリットは」
「・・・・・は?」
「スリットが深く入りすぎでしょう!!!!
 嗚呼、セリーの美しい足が晒しものに・・・・!!!」
「ここまで来ると病気だな。第一あれを選んだのはお前だろうが」
呆れたシエルはため息をつき、再びセレスティに視線をやる。と。
「・・・・・きたぞ」
写真と同じ顔の男が、セリーに近づいてきた。
『・・・この男が、王 狼月・・・・・・・・』
警戒しながらも、とびきりのスマイルを飛ばした。
「ごきげんよう、狼月様。今宵は素晴らしいパーティにお招きいただき光栄ですわ」
令嬢のような立ち振る舞いに、狼月もほう・・・・と息をつく。
「これはこれは。これ程美しい女性は見たことがない。
 ・・・・私と一杯、いかがですかな?」
野太い声に気持ち悪さを感じながらも、笑顔を崩さない。
「まぁ嬉しい!私も狼月様とそうしたいと思っておりましたの!!
 ・・・・よろしければ、二人だけで杯を頂きたいのですが・・・・・」
頬を紅潮させ、上目遣いで狼月を見上げるセレスティ。
それにつられて狼月も顔を赤くする。
「勿論ですとも令嬢レディ。さぁさぁこちらへ」
腰をぐいっとひかれる。
『これで、敵の懐に・・・・・・・』
セレスティと狼月は、会場を後にしたのだった。








「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「おい、セバスチャン!!!演技だ、演技!!!!!!」
セレスティの一連の動作に妬いたセバスチャンを、必死で止めるシエルが居たとか居ないとか。