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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.64 )
- 日時: 2010/09/13 20:43
- 名前: 泡沫 ゆあ (ID: h9T9UkU2)
第二十話;その執事、女帝
「っ・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・・・・」
セレスティは、ガンガンする頭の痛みに目が覚めた。
靄が広がっていくように、視界が明るくなっていく。
先程まで見ていた豪華な部屋では無く、冷たく暗い牢屋のような場所。
両腕は鎖で一纏めにされていて、天井から吊り下げられている。
何の配慮かは知らないが、座れるくらいに鎖は長く余裕があった。
『・・・・・あのとき聞いた声は・・・・・・・・・』
セレスティが考えていると、最後に聞こえた声が響く。
「目が覚めたかしら?なかなか起きないから少し心配してたのよ」
目の前に現れたのは、金髪の美しい女性だった。
スリットの深い赤の中華服を着て目の前に立つ。
「・・・・・誰だ」
「あら、わからないの?覚えてないなんて悲しいわ」
女性はそこまで言うと、牢屋の端に置いてあった椅子に腰かけて言う。
「貴方とさっきまで杯を交わしていた、王 狼月よ」
セレスティは驚愕した。
「馬鹿を言うな!!!狼月は男だし、そんなに若くない!!!!!!!!!」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」
女性は嬉々とした様子で含み笑いをこぼす。
「・・・どういうことだ」
セレスティの問いに、女性はにこりと笑って答える。
「私の名前は闇 紅娘(アン ホンニャン)。
中国マフィアのボス、<女帝>で通ってるわ」
セレスティは女性、紅娘の名前に聞きおぼえがあった。
セレスティの主、フィオリアが殺した人間の上司がそのような名前だった気がする。
『あったこともあるが・・・・・忘れているのか?』
そうであってほしい。そう思っていたのだが。
「貴方のお嬢様には随分とお世話になったわねぇ。
だから今日はお礼をさせてもらおうと思ったのよ」
・・・・・絶体絶命とはこのことだ。
セレスティはそう思った。
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