二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事−knightmare Of a Devil− ( No.80 )
日時: 2010/11/03 18:38
名前: 泡沫 ゆあ (ID: 7rIzYjoN)

二五話;その執事、受諾


「死神蛆虫依頼課・・・?」

シエルはハニーと同じ言葉を繰り返した。
それを聞いたハニーは大きな溜め息を吐く。

「物わかりが悪いのは蛆虫の悪いところ・・・。
 貴方達に非常に嫌だけど、依頼をしに来たの」

小馬鹿にされたようで苛々するシエル。
そんなシエルを他所に、場違いな声を上げるセレスティ。

「あ、そっか!だからトマト頭!!」
「・・・・・セレスティ、一体どうしたんだ」

シエルは眉間にしわを寄せてセレスティを見る。
当の本人は謎が解けたような顔をしてニコニコしている。

「トマト頭って、あの死神のことだったんですね!
 あのグリルだかドリルだかって死神!!
 セバス兄様のこいび「違うと何度も教えたでしょう?セリー」・・・・はい」

またコントみたいなことをして・・・・。
シエルは眉間に入れていた力を抜いてハニーに向き直った。

「で?死神が僕達蛆虫にどんな依頼をしに来たというんだ?」

「・・・・・この依頼をすることは、私と、トマト頭と、ウィリアムだけの秘密にして。
 こんなこと、死神界でも前代未聞だから」

ハニーの表情が真剣になった。
シエルの表情も。真剣なものに変わる。

「・・・・・・・ある人間を、殺してほしいの」
「ほう、死神が殺しを発注するのか。違法なんじゃないのか?」

ハニーは静かにうなずいた。

「でも、私たちじゃ手に負えない。
 その人間は、そこの二人の執事の存在に限りなく近い、けど違う。
 それを殺せるのは、貴方達しかいないの」

セバスチャンはくすりと笑う。

「確かに、死神と悪魔の相性は最悪ですからね。
 私達に限りなく近いと仰るのなら、貴方達に相手は
務まらないでしょう」
「黙れ害虫。本当は私達だってお前達の様な害虫に依頼なんてしたくない。
 でも非常事態だから仕方なく頭を下げに来たの」

一回も頭なんて下げてませんが?
シエル一同はそう思った。

「・・・・依頼、受諾してくれる?」

「坊ちゃん」「シエル様」
「・・・・・いいだろう。女王陛下のからの手紙は来ていないし」

死神を困らせるほどの人間を、拝見させてもらおうじゃないか。

どこまでも楽しそうな、シエルの笑みが浮かんだ。








「それにしてもハニー。トマト頭とはどういう関係なんだ?」
「上司と部下。トマト頭が上司。私が部下。新入りだから・・・・私」
「・・・・じゃああの決めポーズは・・・・・・・・・・」
「トマト頭がやれって。やらなきゃいけないって言ってた。
 やらなきゃお給料下がるって」

『『やりたい放題やってるなぁ・・・・・。死神界って楽しいところなのかも』』