二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.99 )
日時: 2011/05/20 14:00
名前: キリン (ID: ucEvqIip)

第三三話;その執事、悲愴


「?お父様?もう、私を無視しないでくださいな」
「・・・ん?ああ、すまないキャティア。そう、友人だよ。
 ・・・・・・・とても仲のいい・・・そうだろう?<セリー>」
「っ・・・・・・・・・・は、はい・・・」


セレスティの言動に、セバスチャンとシエルは驚愕した。
少なくとも、セバスチャンとシエルはその男に会ったことはなかった。
しかしセレスティは、肩を震わせながらも、
その男と会話をしているのだ。


「ああ、先を急がなくてはいけない。では、失礼するよ」
「ごきげんよう、セリーさん」

フィオリアは笑顔でセレスティに手を振り、男と手を繋いで帰る。
セレスティは、魂が抜けたように呆然としていた。


「大丈夫ですか、セリー」
「・・・兄様・・・」


セレスティの肩をそっとたたくセバスチャン。
シエルは少し間を置き、セレスティに尋ねた。


「セリー、あいつは何者だ」


セレスティは大きく目を開き、小さく震えていた。
震えながらも、小さく細い声で、呟いた。


「・・・あいつが、お嬢様を奪った・・・・・・・。
 あいつが、お嬢様に魂の収集を命じた・・・。







   ・・・・・・・・・・・・・・あいつが漆黒の男だ・・・・」





それだけを言うと、セレスティはその場に倒れこんだ。
意識が遠のいていく。
視界がぐるりと反転する。

・・・・・薄れゆく意識の中、耳に反芻する声。



        <さあ、君とも契約をしようか>





「・・・・・・・・・・・・・・おじょうさま・・・・」




運命が急加速に、廻りはじめる。
先に待つのは、幸か不幸か。