二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン!火竜の少年〜オリキャラ(FD)の募集中〜 ( No.3 )
日時: 2010/07/27 17:42
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: zz4.lYYr)

 実は昨日——響木(ひびき)監督と言う雷門サッカー部の監督のお(権力により省略されました)が、蓮に電話をかけて来たのです。ちと、回想。

 昨日雷門サッカー部の練習が終わり帰宅した後、自室の部屋のベッドに、蓮は倒れ込んでいました。うつぶせです。しかも上下ジャージ姿で。手や顔はきちんと洗ったので、きれいです。これ、どうでもいいですよね。
 そんな時、枕もとの携帯のバイブ音が鳴りました。続いてひきかえせな〜と明るいノリの口調が流れてきました。
 こんな時間に誰だよ。睡眠の邪魔するなと悪態をつきつつ、手を伸ばし、ボタンをぽちっとな。そんで眠そうな声で、

「あい……白鳥です」

 とだらけた挨拶。すると電話の向こう側からは、低いしぶい声が聞こえてきました。

「よお白鳥。ずいぶん眠そうじゃねえか」
「あれ? 響木監督……?」
 
 意外な電話の主に蓮は体勢をうつぶせから、仰向きへと変化させます。なんでかって? 知りません。
 それでもやっぱりだらしないよ。

「お前に話がある」
「なんでしょうか?」
「もうすぐ少年サッカーの世界大会、フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFIが開催されることは知っているか?」
「はい」
「友達二人が韓国に行ったのと、ニュースでよくやっているから知っています」

 教科書を音読するような口調で言いました。
 すると響木はそうか。と納得し、

「なら話は早い。実はなもうすぐ日本代表を決めることになってな、その選抜試合が来週なんだ」
「我らが日本もついに代表を決めるんですか」
「それで……だな」

 急に響木が間を置き、こほんと咳ばらいをします。なにか重大発表があることを察した蓮は、きちんと起き上がって背筋をただします。茶道の人みたいです。

「白鳥」

 名前を呼ばれ、蓮は震える声で答えます。

「は……は……はい」
「お前を日本代表候補の一人に任命する!」
「えーっ!?」

 信じられません。蓮が声を裏返して絶叫します。
 雲の上だと思っていた世界大会への道が開けたのです。

「ぼ……僕が日本代表!? まじですか!?」

 興奮した蓮は、聞き取れないくらいの速さで一気にしゃべりました。

「本当だ。後、あくまで候補だからな。メンバーは全部で20人。その中から代表を16人に絞り込む」

 うるさいと思っているらしく事務的な口調で響木が言います。
 しかし蓮のテンションは下がるどころか、逆にアップアップ。変な創作ダンスまで踊っています。

「わかりました。だったらその16人の一人になれるよう、今から全力で特訓してきます!」

 電話を離そうとして、響木が声を上げます。

「待て。おまえ、他国からスカウトが来てないか?」
「スカウト?」

 せっかくのりのりな気分がいっきに逆戻り。
 いつもの現実世界に引き戻されてしまいました。

「例えば?」
「韓国だな」
「まさか。サッカーのメンバーって国籍で決まるんじゃないんですか?」
「いいや。国籍は関係ない」
「僕はサッカーとは疎遠です。スカウトなんて受けていません」

 そうきっぱりと蓮が断言すると、

「ならいい。まあお前ほどのプレイヤーならどこに行ってもプレイできるだろう。……お前の道を進めよ」

 さびしそうな響木の口調に蓮は首をかしげます。

「わかりました。あ、一週間後に雷門のグラウンドですね。わかりました——」

 回想終了。
〜つづく〜