二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン!火竜の少年 ( No.60 )
日時: 2010/08/25 17:29
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)

始まる前に注意。なんかいろいろとBL風味になってます。キスとかないですけど、そんなものに嫌悪感を覚える方は今回は読まないことを推奨します。注意書きは書きましたよ—!この小説は普通じゃないので、普通に水族館に行ってがやーぎゃーやるだけではすみません。ではでは読める方は、続きをどうぞ。

「なんでおまえ、女物の服を着ているんだ?」

 一応、かなり愚直(ぐちょく)にアフロディが、女性ものの服を着ている理由を尋ねます。だいたい予想はついている蓮です。
 するとアフロディはよくぞ聞いてくれたとばかりに笑います。

「デートだから気合を入れてきたのさ」

 後悔なら猿でもできる——なんて言葉が頭に浮かびます。蓮、心の中で聞いた自分を激しく責めた立てます。が、んなことしても時間の無駄ですので。すぐに気を取り直して、軽く反論しておきます。

「友達と出かけるのをどう勘違いしたら、デートになるんだよ!」

 ちなみに辞書で引くとデートは異性間との出かけのことの様子。アフロディは、当然ですが男です。見た目は女ですが、イナズマイレブン3の選手バインダーに男って書いてあったから間違いない。

「まあいいじゃないか。二人の初デート、楽しみだね」

 もちろんこいつに正当な理論なんて通じません。もう蓮は早々に論議を切り上げ、水族館へと出発しようとアフロディに声をかけ、横に並んで歩き始めます。するとアフロディは急に立ち止まり、思いついたように、

「デートと言えば、手をつなぐだろう。こんな感じで」

 やっぱり立ち止まっていた蓮の片手を、きゅうに掴みました。なんのためらいもなしです。
 いきなりの大胆行動に蓮は心臓が躍り上がります。声にならない悲鳴を上げ、顔がみるみるうちに紅潮していきます。そして酸素不足の魚のように、口をパクパクさせます。そのうち震える声で、喉から声を必死に絞り出します。

「な……な、なに……する……んだ」
「蓮くんは、純情だなぁ。相変わらずかわいいね」

 顔を真っ赤にし、もはや湯気が上がっていそうな蓮の表情を、アフロディは楽しそうに見ます。本当に全国の照美ファンの皆様申し訳ありません。キャラ崩壊していて。
 楽しく見といて、アフロディはちゃっかりと蓮の手を握っています。もう離す気0の様子。蓮はもう投げやりに、さっさと行くぞ! といらだち気味に叫び、アフロディの手を引いて進みます。アフロディも急なことに最初はよろめきそうになりますが、すぐに蓮の歩くペースに合わせ、横に並んで歩きます。むちゃくちゃ満足した明るい表情でアフロディは笑います。蓮はまだ少し怒ったような表情。どんなツンデレだよ。
 さてさてそんな二人を見る影一つ。食堂の窓から、顔を出しているのはジンソン監督ではりませんか。でかい図体と強面が特徴な彼ですが、今日は変です。真顔で鼻から赤い液体を、ナイアガラの滝のように豪快に垂れ流しています。赤い液体の行先は、グラウンドですので、ジンソンの真下だけ血だまりが出来ていると言う不可解な事態が起こっています。ちゃんちゃんちゃーん♪ 私は見た!
 ところで、この監督を誰かどうにかしてください。

 さてさてファイアードラゴンの宿舎を出た二人は、歩いて最寄り駅まで進みます。もちろんずっと手をつないでます。アフロディはルンルンとご機嫌ですが、蓮は対照的にず〜んと電車に乗るまで終始沈んでいました。カップルが歩いている的な目で見てくる世論の視線は痛いし、さっきなんて小さい子に指差され「カップルだ〜!」と叫ばれてしまったのですから。アフロディは男だから……と空虚に叫ぶしかないですね。心の中で。
 
〜つづく〜