二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン!火竜の少年 ( No.71 )
日時: 2010/08/31 12:18
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)
参照: 夏休みどこにも行けなかった=この水族館小説誕生です

 マンタと睨みあうアフロディには、それなりの気迫と言うものが備わっていました。例えて言うなら、百獣の王ライオン同士がいがみ合う様なもんです。辺りには、一触即発の空気が漂います。
 当然ながら人々は、アフロディから腫れ物に触るように離れます。遠巻きに、珍しい魚VS人の対戦を見守るのです。時折り、行け! 嬢ちゃんと囃し立てる人がいて、アフロディは視線はマンタにやりながら、手を振り返します。ますます緊張は高まり、人々はつばを飲み込むむのです。ごっくん。
 ちなみに蓮は、アフロディの横で魚に夢中で、試合をきれいに無視しています。こんな潰されそうな空気の中でよく見ていられるもんです。
 さてさてアフロディがきっと睨むと……マンタがまさかの敗走。ガラスから離れると、そのまっ平らな身体でアフロディから見て、右手へと泳いで行きました。逃げたと言うより、飽きたからいなくなったという表現が適任ですね。同時に、人の波も動き始めます。リュウジがいれば。喉元過ぎれば寒さ忘れずと名句を述べてくれるでしょう。ん? 熱さだって? 知りません。

「ふっ……神たるこのボクに勝負を挑むからだ」

 ちょー自信に満ち溢れた言葉を発し、アフロディは優雅に前髪をかきあげます。アニメでもこんなことやって、ガゼバンとかチャンスゥとハイタッチをしてましたが、何の意味があるのでしょう。ちなみに、蓮はなかなかタッチに応じてくれません。<タイガーブレイク>を決めても、さっさと持ち場のDFに戻ってしまいます。
 あ〜脱線しましたが、その雅な(みやびな)姿に、辺りの益荒男(ますらお)どもが、一斉に鼻の下を伸ばし、一斉に奥さんや彼女に肘で小突かれました。
 ちなみにサザエさんのマスオさんがアフロディに見惚れた、って意味じゃありません。そんなことしたら、大変なことになります。

「そうだろう、蓮くん」
「ん?」

 魚に心を奪われていた蓮は、そんなこと急に言われても困ります。大きな黒い瞳をぱりくちさせて、アフロディを見ます。そんでとりあえず空気を読み、

「さすが、アフロディだ」

 適当に相槌を打っておきました。
 満足そうに笑うと、アフロディは蓮くん好きだよ、とか言いながら、思いっきり抱きついてきました。蓮は冷静です。すぐにその抱擁(ほうよう)から抜け出し、通路の先を指でさします。これが大人の対応ってやつです。

「そろそろ次に行くぞ」
「うん、わかったよ」

 しっかりと手と手を重ね、二人は青い光の中を進んでいきます。もう蓮も慣れてしまったらしく、真顔のままです。アフロディはご機嫌がいいのか、鼻歌なんて歌ってる! このままスキップでもしそうな勢いです。通路でのスキップは、他のお客様のご迷惑になるので、遠慮していただくか、やらないでくださるようお願いいたします。

「…………」

 そんなどっからどう見ても楽しげなカップルである二人を見つめる怪しい視線が一つ。送っているのは、少し小太りな黒ぶちの眼鏡をかけた男でした。黒地のリュックを背負っています。
 この歳で一人身なのか、隣には誰もいません。彼は、辺りにいるカップルなどには目もくれず、若いアフロディと蓮にばかり、嫉妬に近い視線を送りつづけているのです。
 感が鋭い蓮が時折男の方に振り返りますが、男は水槽を見つめて素知らぬふり。蓮は首をかしげて、アフロディといっしょにどんどん先に進みます。
 その姿を見送りながら、男は獰猛な笑みを浮かべるのです。

「くくく……かわいいお嬢ちゃんじゃないか。モロオレの好みじゃねぇか……」

 男は、舌でぺろりと唇を舐めました。まるで上手いものを見つけた食ハンターの様です。きもいです。現に若い女の子が、男を見て蛇蠍(だかつ)のごとく嫌い、思いっきりひいていますもん。んな男は周りなんて気にせず、不気味に口元を歪ませるのです。

「……覚悟しろよ」

 男の眼鏡が不気味に底光りしました。
 ああ、アフロディと蓮の運命はいかに!? ところで、アフロディは男ですが。まあ地の分で語っても無駄ですよね。

〜つづく〜
明日からついに学校が始まります!なので、更新スピードが結構落ちると思われます。この夏はどこにも行けなかったので、小説で行った気分になるとか物悲しい夏休みを送ってました。水族館、本当に行きたいなぁ^^;
おまけ……韓国観光案内そのいち♪

蓮「おいでませ! ファイアードラゴン合宿所へ!」

雫(しどけ)
「ここに来れば、あなたの大好きなファイアードラゴンメンバーに会えるかも!?」

蓮「今この合宿所ではキャンペーンを実施中! <カオスブレイク>や<ならくおとし>をくらって、世界のレベルを体感することができます。夜には激辛キムチの、あっつあつパーティ! 出血大サービス♪」

雫「…。誰が来るんだか」