二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン!火竜の少年 ( No.75 )
- 日時: 2010/09/08 16:14
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)
さてさて順路通りに進むと、次は深海コーナーに辿り着きました。
天井からの明かりはなく、中は真っ暗です。深海生物が光に弱いから、あまり強い光は出せないんですね。
部屋内には、丸や四角い水槽が並べられ、中で赤や青い照明が光り、水槽の住人たちを映し出します。水を通り抜けてくるせいか、その光はぼんやりとしていて、不思議な雰囲気を醸し出しています。
クラゲやらアンコウがいる水槽を、手を組んだアフロディと蓮が、さ〜っと見ていきます。数秒見たら、すぐに次の水槽へ。んな、殺生な。どうも、形容が難しい深海生物を見る気はあまりないようです。ですが、ある生物がいる水槽の前で、アフロディは蓮から手を離し小さい水槽に、手を当てて、ある生物を見つめ始めました。
「なんだ、これ」
蓮は思わずつぶやきます。
中にはタツノオトシゴの身体を、そのまま海藻でつくりかえたような謎の生物が泳いでいました。アフロディはそいつをじっと食い入るように見つめています。正体を探ろうと、蓮は右側にある解説版に目をやります。『リーフティ・シードラゴン』と言うやつで、オーストラリア在住で、プランクトンとかが餌らしいです。なんか在住とか言うと、人っぽくってかっこよくないですか。
なるほど。リーフティと言うだけあって、海藻のタツノオトシゴの様です。しかし、その奇妙な姿に夢中になるアフロディは何を考えているのでしょうか。謎を解こうと蓮がじっとリーフティ・シードラゴンと睨めっこしていると、アフロディにぽんぽんと肩を叩かれました。アフロディはリーフティ・シードラゴンを指で示しながら、
「なんだかリーフティって、南雲君に似ているね」
と謎の発言をしました。
蓮はそ、そうか? と語尾を濁しながら、頭の中に効果音(バーンと読む)を脳裏に映し出します。リーフティ・シードラゴンをじっと観察します。……結果はじゃじゃん! 意味不明。どこが似ているんだ。かなり強行に言って、丸い金の瞳くらいでしょう。
例えて言うならかあいいイルカさんが、南雲に似ていると言った様なもんです。
「どこが晴矢に似ているって?」
蓮がアフロディに問い返すと、
「まずこの金の瞳が南雲くんっぽい。そして彼から受ける荒っぽい印象は、南雲くんのプレイそのものだ」
ますます蓮を困惑(こんわく)させるお答えが。そして確認するように水槽をのぞき、うんうんと納得しています。why?
たとえこの先何百回見たって、永久にアフロディの発想を理解することなんてできないでしょう。蓮は、アフロディに先に行くぞといい、手を掴んで、行動するよう促します。WAo!もはやカップルじゃん。
さてさて次の水槽にはタカアシガニがいました。甲羅はふたまわりはでっかくなりバージョンアップ。そこかから伸びる8本(?)の足とハサミは長くなり、華麗な変身を遂げました。クモ見たいです。でもこいつも食うとうまいんでしょうね、きっと。こいつは岩手県以南から九州までの水深100mから200mに住んでいて、足を広げると3mに達する世界最大のカニだそう。出典広辞苑より。
タカアシガニは八本の足を使い、横歩き中。なんか普通のカニと変わらない気がします。タカアシガニを目で追っていたアフロディの注目すべき次の発言は、
「タカアシガニって、チャンスゥにそっくりだ」
「いや、似てない」
軽く蓮が冷静な突っ込みを入れ、次へ進みます。
今度は小さい水槽です。中にはあの”流氷の天使”と名高いクリオネの御姿があります。なんで韓国にいるのとかそんなことはさておき。
ほのかなブルー色に染まった水が、闇に生きるクリオネの姿と上って行く泡を浮かび上がらせます。
猫のような頭に、手はひれっぽく、身体は幽霊の下半身みたい。そんな真っ白な身体に、消化器官が赤く透き通って見えます。全長は2〜3㎝と小さいです。
ひれをパタパタと動かして泳ぐ姿は愛らしく、蓮もアフロディも水槽にへばりついてうっとりとしてます。
「本当に海の宝石みたいだ」
と、目を細めた蓮が言いました。
「美しい——ボク以外でそう思えるものが、存在していたとはね」
と、本日二回目の使いまわしのセリフをアフロディが呟きました。言っていることはむちゃくちゃですが、人並みの感性は持っているようです。
「アフロディと今日来れてよかった。ありがとうな」
そう蓮は何気なくポツリと呟いて、アフロディがじっと見つめてくるのに気付きました。水のブルーライトはアフロディを輝かせ、反則的にイケメンUP!してます。イケメンUP!から逃げるように、蓮は慌てて視線をクリオネに向けると、頬を少し赤らめて、むくれます。
「ほ、ほら! 友達と出かけるのって楽しいだろ? それだけ。それだけだ……」
他にも何か言いたげですが、蓮は口を閉じてしまいました。
実はこれ、たんなる照れ隠しです。アフロディに一緒に来てくれてありがとう、とわざわざ言ったのが恥ずかしくて、ツンとした態度を取っちゃうんです。本当はこの後、これからも仲良くしよう! と言いたいのですが……照れが先行して、言葉を飲み込んでしまったのです。
アフロディは蓮のツンデレを察知したのか、軽く微笑むとクリオネに目をやります。そしてゆっくりと口を開きました。
「これからもいい友達でいてほしい」
蓮は、はにかんだ表情を浮かべると、
「もちろん」
クリオネが祝福するように、いつもよりも手を激しく動かして泳ぎました
〜つづく〜
今日は台風だったので、4時間目で下校出来ました!でも帰ろうとしたら、綺麗に雨がやみましたwww小学校時代も台風で下校したら、その後きれいに雨がやんでおた思い出があります^^;