二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン!火竜の少年〜オリキャラ(FD)の募集中〜 ( No.9 )
日時: 2010/08/11 14:03
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)

 しばらく静かな時間が流れ、蓮がゆっくりと瞼(まぶた)を開きます。うーとベッドの上で軽く伸びをし、起き上がって、枕もとのデジタル時計を確認します。『9:30』の文字。どうも一時間近く寝ていたみたいです。<ゴッドブレイク>に目を覚まさないとか、まじありえねー。

「やっべ……寝てたのか」

 欠伸を噛み殺しながら、ベッドから降ります。タンスの前にかけておいた部活鞄をひっつかみ、部屋を出て行きます。
 もうすぐ選抜試合に挑むのだから、練習はしておきたいです。落選してしまう6人に入らないなんて、誰も保証してくれないのですから。16人に入るため、今日も蓮は練習します。
 そんで階段を半分ほど降りたあたりで、音が聞こえました。次のニュースとか、明日の天気はとか言っている辺り、ニュースのようです。朝、うっかりテレビをつけっぱなしで来てしまったのでしょうか。自分のうかつさを責めつつ、リビングの扉を開けると——

「やあ、おはよう白鳥くん」

 4人掛けのテーブルの手前に一人の人間が座っている光景が目に飛び込んできました。果たして珍百景に登録なるか!? 
 その人間は誰が見てもぞっとする美貌を漂わせていました。肌はさむい地方に住んでいるかのようにきれいな色白。顔は、これでもかと洗練されていて、美しすぎるバランスで整っています。瞳はすっとした美人系の切れ長の茶色の瞳。クールな印象を与えます。極めつけは背中までまっすぐに伸ばされた長い金髪。一本一本が透き通るようにつやつやでストレートです。さてさてここまで書けばってか、前回の<ゴッドブレイク>でばればれですよね。ちなみにメガネくんではありませんよ。
 蓮はその人間を見た途端、無言で扉を閉めました。そしてすぐに背中を扉に押し当て、シンキングタイム発動。

(僕は何も見なかった。何も見なかった)

 そう現実を認めまい認めまいと必死で抗いますが、それを邪魔するように中から低い澄んだ声が遠慮なくします。お〜い。とか、白鳥くん? とか。ゲンジツソンナニアマクナインデスヨ。カタカナにするとかっこよくないですか?
 小さな世界をぶち壊しにされた蓮は、正念場かと諦めつつ、もう一度扉を開きます。やっぱり一人の人間がいました。

「白鳥くん、ボクの美しさに見とれてしまったのかい?」

 彼は前髪を余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)でかき上げながらそんなことを言うので、蓮のイライラはさらに高まります。

「ち・が・う!」

 言葉の節々に力を込めて全力で否定します。
 それから彼の目の前に着席し、

「なんでアフロディくんが、僕の家にいるんだよ!」

 正しい質問をします。びしっと指をさして。
 彼の名はアフロディ。本名は亜風炉 照美(あふろ てるみ)。かっこいいと言うか表現に戸惑う個性的な名前です。遡ること数か月前、練習試合をした世宇子(ぜうす)校のキャプテン。それだけです。決して蓮と仲がいいとか、知り合いとかそういう関係ではないんです。
 今日のアフロディは相変わらずの世宇子ユニフォーム。古代ギリシアを連想させる一枚布を腰部分で縛ってズボンをアレンジ。下には膝上まであるスパッツと灰色のソックス。ん? 靴? 蓮の部屋から出てすぐに脱ぎました。土足厳禁です。

「まあ、落ち着きたまえ」
 
 なんか拳をぐーにする蓮を相手にしても、アフロディは冷静な顔でなだめます。

「料理、ごちそうさま」
「あー!」

 変なことを言うなと思って机の上に視線を向けた蓮は絶叫。
 練習のためにつくった昼の弁当がアフロディに食いつくされています。二段重ねのふたは開けられ、残っているのはラップとか、銀紙の上に残るたれと汁だけ。アフロディは口は拭いてあるらしく、証拠はなし。

「白鳥くんは、話に聞いていたけど料理が上手いんだね。美味だったよ」
「こんな料理でよければいつでも作るよ……じゃない!」

 ゴッドスマイルに騙されそうになりながらも、蓮は頭を切りかえます。

「だからなんでアフロディくんはこの家に何の用があっているんだっ!」

 早口言葉のように一気にまくしたてます。机を軽くたたいて怒鳴りました。
 それでも相変わらずアフロディは冷静な顔つきで、

「そう固くならないでくれ。ボクのことは、”アフロディ”と呼んでくれてかまわない。逆にキミのことを、”蓮くん”と呼びたいのだがかまわないかい?」
「うん、蓮でも蓮根とでも好きに呼べ。君は『くん』をつけて呼ぶべき人間じゃないって、よ〜くわかったから」

 青筋を立てて蓮が言います。
 どうでもいいことですが、蓮が人を呼び捨てにするのはとても仲良くなったときか、相手に言われたときか、呆れたやつだと痛感した時の主に3パターン。今回は二番目っぽいですが、実は三番目です。ですが、んなことアフロディが知ってるわけないので。

「改めてよろしくたのむよ、蓮くん」

 にこやかに笑っています。
 と、ここで急にアフロディが改まったように咳ばらいをします。両手を組んであごを載せます。いきなり表情も真剣そのものになり、蓮はその気迫に怒りがぶっとんでしまいました。

「さて……そろそろボクが蓮くんの家を訪ねた理由をはなさいとね」

〜つづく〜
アフロディキャラ崩壊しててすいません!;;
 
たぶんずっとこんなキャラになります