二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ありがとう〜大好きな君へ〜 イナズマイレブン ( No.162 )
日時: 2011/02/06 12:18
名前: さくら (ID: 32zLlHLc)

心友短編 『白ばかりをなぞる眼差し』吹雪+優香c



白と黒は対照的だ。これは世間一般的に知られていることだけどこの対照的は吹雪くんと似ているって思うのは私だけだろうか。

アツヤと士郎じゃなくて、士郎と士郎。要するには、自分ともう一人の自分ということ。


二重人格とは長い間、誰にも悩みを明けることなく一人で考えこんでしまうとあらわれる自分らしい。

人間の心理学ってものは恐ろしい。ついでに吹雪くんも恐ろしい。もっと言えば、黒い吹雪くんは恐ろしい。


「僕のシュート見ててね」


例えば部活中。シュート練習で吹雪くんがシュートを見てて欲しいと言ったあと、そのシュートを見ずにどっか行ってしまうとする。


「優香ー!ちょっと手伝ってくれないかー?」

『はーいっ……っえ?!!』


円堂が呼ばれ向かおうとしたら、目の前にボールが横切る。速度がはやすぎるーっ!!今絶対狙った。絶対私にボールっ!!私、一応君の彼女っ!か!の!じ!ょ!


「僕のシュート」

『はい、』

「見ててくれるよね?」

『……』

「見ててくれるよね?」

『は、はい、そりゃもちろん。もう光栄ですっ』

「よかった!ちゃんと見ててよ!」


吹雪くんのホワイトはとても優しい。簡単な嫉妬をきっかけに訪れるブラックはとても恐ろしい。圧力が強く、時には動けなくなりそう。現に、今自分は、棒立ちしている。


『…、』

「お前も大変だな。」

『豪炎寺っ』


空気を呼んで助け舟を出してくれた豪炎寺にうるっときて、こいつはなんていいやつなんだろう、なんて出来たやつなんだろうと思った。

すると今度は二人の間を切り裂くようにボールが飛んできた。一瞬すぎてわかんなかった。その一瞬が風をおこし、髪が揺れ青ざめる私の顔。


「見るって言ったよね」

『あ、はい。』

「見てるとこ違うよね」

『はい、私には吹雪くんしか見えませんっ。』

「絶対だよ」

『決めるなら凄いシュート見せてね』

「任せてよ」


必殺技まで使ってシュートを決めた吹雪くんに苦笑い。かっこいいけどもっとTP大事にして。笑顔で振り返るとどきっとした。吹雪くんに夢中な私は吹雪くんからは逃げられない。


“白ばかりをなぞるまなざし”
(あの告白してきた吹雪君は優しかったのに。)
(何か言った?)
(い、いいえっ!!)