二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [銀魂]僕の世界が壊れた。 ( No.197 )
日時: 2010/08/16 12:52
名前: 瓦龍、 ◆vBOFA0jTOg (ID: GrJKliyZ)

          ◆感謝すべきは


鬼兵隊。
今日もまた幕府を潰す為の作戦を立てたり武器の手入れをしたり色々大変です。
でも本当に大変なのは、もっと違う事なんです。
と、いう事に気付いたのは、其の日の午後でした────。


    ───────────


「え、お祝い?」
「そうッス!!」

良く晴れた午後の日、同じ鬼兵隊の来島また子からそう言われたのは。
僕は一応剣使いだが、また子の手伝いで一緒に弾の点検とかしてると、彼女に肩を叩かれた。
振り向くと何時にも増して笑顔のまた子の顔。
きっと晋助の事なんだろうなあ、と予想が出来た。

で、其の内容。晋助が今日、誕生日なんだとか。
其れで何か其々密かにさり気なくプレゼントを考えて渡したいのだという。
多分また子が普通にあげたいんだろうけど恥ずかしいから道ずれに、って感じじゃないんだろうか。
まあ、あまり触れないようにする。

鬼兵隊の皆に言うのを手伝って欲しいと言われて取り敢えず手伝った。
万斎はちょっと呆れていた。
晋助は面倒臭がりそうでござるな、と言うけれど貴方が一番面倒臭そうですよ。
武市変態に言いに行ったら何故か溜息を吐かれる。
もう少し若ければとか失礼な事をぶつぶつ呟くので、一発殴った。僕は女じゃない。

他の人にはもう言ったのでいいだろう。
だけどプレゼントってそんな、万斎の言うとおりあんまり欲しいとか思わなさそう。
何より何が喜ぶんだろう。着流し……はサイズ解んないし趣味も同じくそうだし。
派手だったらいいってもんじゃないもんね、多分。
煙草? いやいや煙管派だよねあの人。
ケーキなんてもう食べてる姿を想像したらちょっと笑える。あ、可愛いかも。


────……やばい此れ思いの外難しい。


また子は本当さり気なく渡してた。多分本人プレゼントと気付いてないと思う。
どうしよう。刀……使い心地悪かったら嫌だろうしな。
羽織とかどうかな? ……ああ、持ってたな。そういえば。
んんん……やばい。
────そうだ。取り敢えずあれだ。大江戸デパートにでも行ってみよう。


    ───────────


沢山の物が並ぶショーウインドウを見ながら歩いていると、よく人にぶつかる。
幸いにも僕がぶつかる人は柄の悪い人じゃない。から大丈夫。

「ん─……どうしよっかな─……」

本気で何かを考えるのって久し振りかもしれない。
父母の誕生日の日はよくあげてたなー、プレゼント。
で、今と同じように悩んでんの。何にしようかなーって。
何が喜ぶかじゃなくて、気持ちが籠ってれば何でもいいよって両親は言ってたなあ。
ま、晋助は其れじゃ駄目だろうな。
実用品なら使えるものを、使えないものは邪魔にならないものをって人だから。
実用品だと当たり外れがあるから、根付けとかにしようかな。
別に邪魔にはならないだろうし、要らなかったら捨てるのも簡単。

────ああ、其れでいいんじゃないかな。

さ、根付けとか買いに行こう。