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第２８話

円堂の目は壁の絵に釘づけだった。
塔子も絵を見て声を失っていた。
鬼（円堂。塔子何してるんだ。
鬼道たちが円堂たちの方に寄ってきて、そう聞く。
円堂も塔子も何も言わず、壁の絵を指差した。
鬼道たちも、円堂と塔子が指差した絵を見た。
そして鬼道たちもその絵を見て驚いていた。

壁に飾られたその絵に描かれていたのは、青い青い綺麗な空。夕焼けに照らされたオレンジ色の空。満天の星空。
たくさんの空の絵だった。
白（それ、氷歌ちゃんの描いた絵ですよ。
沙希が嬉しそうに笑いながら言った。
円（……月城の？
円堂は目を絵に向けたまま聞いた。
園（そうだよ！氷歌ちゃんの！
沙良が元気に言う。
園（氷歌ちゃん、絵、上手でしょ。
沙良は円堂の顔を覗き込むように見ながらそう言った。
円（ホント……うまいな……
円堂は飾られている絵を見渡した。
龍（氷歌は空を描くんですよ。
ゆうりは飾られた絵を見ながら言った。
秋（空？
秋は聞き返した後、絵を見渡した。
確かに、すべての絵に空が描かれていた。
でも、空だけというわけでもなく、楽しそうな風景も描かれていたりしている。
そして、その絵は信じられないほどうまかった。
細かいところまで丁寧に描かれた、まるで写真のような絵だった。
狐（これも氷歌の仕事なんだよ。
猶は氷歌の絵を見ながら言う。
鬼（仕事？
鬼道は不思議そうに聞いた。
白（氷歌ちゃんは個展を開いたりしてるんです。そこで絵を売って、この孤児院の経営費にまわしてるんです。
沙希は氷歌の絵を見て行った。
春（じゃあ画家ってことですか？
白（はい。
沙希は淡々と答えた。
龍（氷歌、小さいころから何度も絵で賞を取ってるんですよ。
園（向こうに賞状飾ってあるよ！い〜っぱいあるの！
沙良は右に続いてる廊下の先を指差して言った。
鬼（……そうか……
鬼道が何か思い出したようにそう言った。
円（鬼道？
鬼（天音紫歩……聞いたことがあると思っていたんだ……
鬼道が絵を見ながら言った。
春（聞いたことあるの？お兄ちゃん。
鬼（あぁ。父さんに連れられて個展に行ったことがある。と言ってもかなり前だが……
豪（かなり前なのに覚えてるのか？
豪炎寺が鬼道の方を向いて言った。
鬼（あぁ。覚えてる……あの時も今みたいに驚いた。確か何度か行ったな、初めて行ったのは小５くらいだったな。題名は確か……
氷（「空の旅」
と言いながら鬼道の横に氷歌が現れた。
円（うわぁ！
円堂は驚いて大きな声を出した。
氷（鬼道さんには何枚か買ってもらってますよね。
氷歌は笑ってそう言った。
鬼（３枚。父さんが気に入ってるからな。
氷（確か「星空・冬」と「一瞬のオレンジ」あと……
氷歌が考え込むすると
鬼（「続く蒼」
鬼道が淡々と答える。
氷（よくご存じで。
ニコッと氷歌が笑った。

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なんだこれ。
なんか猶ちゃん出してないなと思って出しました！

あ！氷歌の作品の紹介します。
【星空・冬】冬の空を描いた絵。星がたくさん描かれていて、小さな小さな星まで描いてある、冬の綺麗な星空を描いたもの。
【一瞬のオレンジ】夕日とオレンジの空、子どもたちが帰って行った誰も居ない公園が描かれている。夕日が沈んでいく短い時間の中でも公園のすべてがオレンジに染まるとても短い一瞬を描いたもの。
【続く蒼】雲ひとつない空が描かれている。何処を見ても何処までも続く青色を表現するために屋上に寝そべってみた空を描いている。

こんな感じ。
分かりにくいですね。すいません！
次はにぎやかな食事を書きたいと思ってます！